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御影石の墓石について調べている方の多くは、どんな石を選べばよいのか、価格の目安はどのくらいなのか、そして失敗や後悔を避けたいという思いをお持ちです。
大切な人のお墓だからこそ、まずは御影石の墓石とは何かという基礎知識を理解し、納得したうえで選びたいと考えるのは自然なことです。
ただ、御影石が墓石に使われる理由や、御影石の種類を色・産地・特徴とあわせて整理した情報は専門性が高く、初めて調べる方には分かりにくい部分もあります。
さらに、御影石墓石の価格相場は、国産と外国産、黒系と白系などの違いによって大きく変わるため、判断基準がないと迷いや不安を感じやすくなります。
また、実際に建墓を進める段階では、どのポイントに注意すれば失敗しない選び方になるのか、御影石のメリットとデメリットは何か、建てたあとにはどんなメンテナンス方法が必要なのかといった疑問も出てきます。
インターネットには多くの情報がありますが、その中から信頼できる石材店を選ぶのも簡単ではありません。
この記事では、御影石の墓石について、基礎知識から石種の特徴、価格相場、選び方、手入れ方法までを分かりやすく整理しました。
最後に全体のまとめも用意していますので、読み終えたときには、自分や家族に合った墓石のイメージが明確になっている状態を目指せます。
【記事のポイント】
御影石の墓石の基礎知識と代表的な種類
国産と外国産を含めた御影石墓石の価格相場
御影石墓石のメリットとデメリット、選び方のポイント
建てたあとのメンテナンスと石材店選びの考え方
この章で解説する内容
御影石の墓石とは?まず押さえたい基礎知識
御影石が墓石に使われる理由
御影石の種類|色・産地・特徴をわかりやすく紹介
御影石のメリット・デメリット
失敗しない選び方・注意点

御影石は、岩石としては花崗岩(グラニット)や閃緑岩などの深成岩の一種を指す呼び名で、日本では墓石や建築材として最も広く使われている石材のひとつです。
もともとは兵庫県神戸市東灘区周辺の御影という地名に由来しており、この地域で採れる花崗岩が高く評価され、全国に名が広まったことから、花崗岩全般を御影石と呼ぶ慣習が定着しました。
花崗岩は、地中深くでマグマが長い時間をかけてゆっくり冷え固まることで形成されます。
石英、長石(カリ長石・斜長石)、黒雲母や白雲母、角閃石などの鉱物が結晶として集合しており、この結晶が作り出す細かなつぶつぶの模様が見た目の特徴です。
鉱物が緻密に詰まっているため、硬く重く、風化にも比較的強い構造になっています。
岩石としての分類では、花崗岩は「深成岩」というグループに入り、火山岩よりも結晶が大きくはっきりしていることが特徴です。
この結晶の大きさや含まれる鉱物の種類・割合によって、色合いや模様が変わります。
石英が多いとやや白っぽく、黒雲母や角閃石が多いと黒っぽい印象が強くなるなど、同じ花崗岩でも個性の幅が大きい素材です。
墓石に使われる御影石には、国産と外国産があります。
国内では、福島県(浮金石・青葉石・滝根みかげなど)、茨城県(稲田石・真壁石など)、神奈川県(本小松石)、岡山県(万成石・備中青みかげ)、愛媛県(大島石)、香川県(庵治石)、佐賀県(天山石)といった各地で、歴史ある石材産地が知られています。
これらは古くから城郭、神社仏閣、石垣、鳥居などにも用いられてきた実績があり、耐久性や風合いへの信頼が厚い石です。
一方、外国産の御影石も近年は広く利用されています。
主な輸入先としては、中国、インド、南アフリカ、フィンランド、ノルウェー、ブラジル、ポルトガル、カンボジア、スウェーデン、韓国などが挙げられます。
中国産ではG603・G623・G654などの白・グレー系、インド産ではクンナムやM1-H、インパラブラックなどの黒系、アーバングレーやインド銀河といった白~グレー系がよく知られています。
こうした外国産御影石は、国産と比べて価格を抑えやすい一方で、石種ごとに性質が大きく異なるため、特徴を理解したうえで選ぶことが大切です。
御影石の墓石というと、灰色や黒色のイメージが強いかもしれませんが、実際には色のバリエーションは非常に豊富です。
代表的な色合いとしては次のようなものがあります。
白・明るいグレー系:稲田石、真壁石、アーバングレー、SPIなど
黒系:クンナム、山西黒、インド黒(MU・YKDなど)、ファイングレイン
青みを帯びたグレー・青系:大島石、天山石、青葉石
ピンク・桜色系:万成石、G663、インド八重桜など
赤系:ニューインペリアルレッド、ダコタマホガニー、インドマホガニなど
緑系:M1-H、万年青、フィンランドグリーン、オリーブグリーン系
茶・マルチカラー系:中国マホガニー、パラディソ、マハマブルーなど
同じ産地の石であっても、採石する場所の層が変わると、模様の細かさや色味が変化します。
さらに、採掘時期によっても石目の印象がわずかに異なることがあるため、二つとして全く同じ石目は存在しないと考えられています。
この「世界に一つだけ」という性質が、墓石に個性や想いを込める上でも大きな魅力になっています。
また、御影石は墓石だけでなく、建築や土木の分野でも広く使われています。
国会議事堂や迎賓館、日本銀行本店、東京都庁舎などの著名な建物の外装や内装、駅の階段や舗道、石垣、護岸などにも御影石が採用されています。
こうした使われ方からも、耐久性や美観への信頼の高さがうかがえます。
このように、御影石の墓石とは、単に「丈夫でよく見かける石」というだけではありません。
石の成り立ち、産地ごとの特徴、色や模様の違いなどを知ることで、故人や家族のイメージに合った、自分たちらしい一基をイメージしやすくなります。

御影石が墓石材として選ばれてきた背景には、長い年月に耐える性能と、姿かたちの美しさ、その両方を兼ね備えていることがあります。
墓石は一度建てたら何世代にもわたって受け継がれていく存在です。
そのため、耐久性とメンテナンス性の高さは、素材選びにおいて特に重視される条件になります。
まず注目したいのは、御影石の機械的な強さです。
花崗岩をはじめとする良質な御影石の多くは、一軸圧縮強度がおおよそ140〜200MPa程度という高い値を示すと報告されています。
吸水率についても1.5%未満のものが多く、ひび割れや凍結による劣化が生じにくい性質があります(出典:公益財団法人土木研究センター「土木構造物への石材利用とその技術的な課題」https://www.pwrc.or.jp/thesis_shouroku/thesis_pdf/0711-P046-051_yajima.pdf)。
これらの数値は、建築用石材の日本工業規格(JIS A 5003)等でも耐久性評価の指標として扱われており、墓石に求められる「長く持つ」という要件を満たすうえで大きな根拠になっています。
屋外に設置される墓石は、雨、風、強い日差し、気温差、雪、凍結といった自然環境の影響を受け続けます。
石材は目に見えない微細なすき間を通じて水を吸い込みますが、吸水率が高い石ほど、内部で水が凍ったり膨張したりすることでひび割れや剥離が生じやすくなります。
また、水分と一緒に土やほこり、酸性雨の成分などを取り込むと、シミや変色、表面のざらつきへとつながることもあります。
御影石は、こうした影響を受けにくい「吸水率の低さ」と「高い強度」を併せ持つ点で、墓石向きの素材といえます。
さらに、御影石は磨くと非常に美しい光沢が出ることも大きな魅力です。
結晶質の石面を研磨機や砥石で何段階もかけて磨き上げると、鏡面のような艶が生まれます。これにより、
家名や戒名などの彫刻がはっきりと映える
雨水が表面を流れやすくなり、汚れが付着しにくい
光の当たり方や時間帯によって表情が変わる
といった効果が期待できます。
年月が経つと表面の艶は少しずつ落ち着いていきますが、適切な清掃や専門業者による再研磨を行うことで、再び輝きを取り戻すことも可能です。
また、御影石は色や模様のバリエーションが豊富で、個性を表現しやすい点も、墓石として選ばれる理由のひとつです。
石英や長石、雲母、角閃石などの鉱物の混ざり方、結晶の大きさ、濃淡の違いによって、まったく印象の異なる石目が生まれます。
同じ石種名であっても、採掘する場所の層が変われば、目の細かさや色調が微妙に変化しますし、等級によっても「青みが強い」「斑模様がはっきり出ている」といった違いが現れます。
そのため、例えば次のような選び方ができます。
伝統的で落ち着いた印象を重視するなら、白〜グレー系の国産石
重厚感と格式を大切にするなら、黒御影や青みの強い高級石
柔らかく温かみのある雰囲気を求めるなら、桜色の万成石やピンク系の御影石
故人の好みや趣味を反映したい場合には、緑系やマルチカラーのデザイン性の高い石
このように、耐久性、美観、そして表現の自由度を同時に満たせることが、御影石が墓石に使われる大きな理由です。
実際に国会議事堂や歴史的建物、公共施設の外装などにも多く使われていることからも、長期にわたる使用に耐えられる素材であることが裏付けられています。
最終的に、どの石を選ぶかは「何世代にも残したいお墓を、どんな表情の石で建てるか」という価値観に関わる部分です。
その意味で、御影石は物理的な強さだけでなく、家族の想いや故人のイメージを形にしやすい素材として、多くの人から選ばれてきたといえます。

御影石の種類は、世界全体では三百種類以上あるといわれますが、そのすべてが墓石に使われているわけではありません。
実際に墓石として繰り返し選ばれているのは、耐久性・吸水率・色合い・供給の安定性などの条件を満たした、ごく一部の石種です。
ここでは、まず国産と外国産に分け、その中でも代表的な石種を「産地」と「特徴」「色の印象」を軸に整理していきます。
色だけで選ぶと失敗につながることもあるため、合わせて性質の違いも押さえておくと判断しやすくなります。
国産御影石は、品質の高さと安心感から根強い人気があります。
石材としての信頼性に加え、神社仏閣や城郭、公共建築などに使われてきた歴史があるため、「日本の風土で長年実績がある石」という心理的な安心も得やすい点が特徴です。
代表的な石種をまとめると、次のようになります。
| 石種名 | 産地 | 特徴の概要 |
| 庵治石 | 香川県 | 非常に高硬度、独特の斑模様、世界的に見ても最高級石材とされる |
| 大島石 | 愛媛県 | 青みを帯びた上品な石目、吸水率が低く高品質で、和型・洋型どちらにも合いやすい |
| 天山石 | 佐賀県 | 吸水率が極めて低い、青みが強く磨くとガラスのような艶が出る |
| 真壁石 | 茨城県 | 灰色系で石目が整い、耐水性・圧縮強度に優れる、白御影の代表格 |
| 万成石 | 岡山県 | 桜御影とも呼ばれる淡い桜色、国産の中でもトップクラスの硬度と耐久性 |
| 本小松石 | 神奈川県 | 歴史ある銘石で、磨くと緑がかった独特の表情になる、高級和型墓石で人気 |
庵治石は、細目や中目といった等級に分かれ、特に細目の上位等級は「御影石のダイヤモンド」と呼ばれることもあります。斑(ふ)と呼ばれる二重のかすれ模様が特徴で、他の石にはない品格ある表情を持ちます。
大島石は、青みを帯びた落ち着いたグレー系で、年月とともに色に深みが増すとされます。
吸水率が低く、墓石としてのバランスが良いことから、四国・中国地方を中心に全国的に採用例が多い石です。
天山石は、国産石材の中でも特に吸水率が低いグループに入るとされ、経年劣化が起こりにくい点が評価されています。
やや青みの強い色合いと、ガラスのような光沢が特徴で、長期的な美観を重視する場合に検討されることが多い石です。
万成石は、やわらかな桜色を帯びているため、明るく柔らかな印象の墓石に仕上がります。
外観からは穏やかな印象を受けますが、石そのものは非常に硬く、変色も起こりにくいとされています。
本小松石は、江戸時代以前から灯籠や城郭、寺社の石材として用いられてきた歴史ある石です。
切り出した直後はやや赤味を帯びた色ですが、丁寧に磨くことで本小松特有の緑がかった表情が現れます。
和型の伝統的な墓石に好まれ、「和の趣」を大切にしたい場合に選ばれやすい銘石です。
(小松石は御影石ではなく安山岩ですが、墓石によく使われるのでここに記載しておきます。)
このように国産石は、性能面だけでなく「どの地域ゆかりの石か」「歴史的な建造物に使われているか」といったストーリー性も含めて選べる点が特徴です。
一方で、採石量の減少や人件費の高さなどにより、同じサイズ・デザインの墓石であれば、外国産より全体的に価格は高めになる傾向があります。
外国産の御影石は、種類が豊富で、コストと品質のバランスが取りやすい石種が多くあります。
特に中国産とインド産は、現在日本の墓石市場で大きな割合を占めています。
石種によって性質や色味が大きく異なるため、「どの産地だから良い・悪い」といった一括りの評価ではなく、個々の石種の特徴を見ることが大切です。
中国産の御影石は、白〜グレー系の外柵材から黒系の石塔まで、幅広く使われています。代表的な石種としては、次のようなものがあります。
黒龍石:白地に黒い鉱物が散りばめられたグレー系で、硬度が高く吸水率も比較的低めとされる
G654系:ダークグレーで石目が細かく、落ち着いた印象。産地や採掘状況の変化により、年代によって品質や色合いが変わることがある
G603・G623:明るいグレー〜白系で、外柵や納骨堂などの外構部分に多く使われてきた石種
中国産の特徴として、「価格を抑えやすい」という点がよく挙げられますが、近年は一部石種で採掘量の減少や品質のばらつきが問題になるケースもあります。
同じ品番でも採掘時期によって色味が異なることがあるため、サンプルだけでなく、実際に施工された墓石の事例写真なども確認しながら検討すると安心です。
インド産の御影石は、世界的にも評価が高い黒系・グレー系の石種が多く、硬度・吸水率・艶持ちのバランスに優れている点が特徴です。
クンナム:代表的な黒御影石の最高級品とされ、非常に硬く吸水率が極めて低い。変色が少なく、深い黒色が長く続きやすい
M1-H:黒緑系の御影石で、吸水率が非常に低く、経年変化が少ないとされる。黒手・緑手など、やや色味の異なるバリエーションもある
アーバングレー・インド銀河:白〜グレー系で、吸水率が低く品質が安定している。価格と性能のバランスが良く、和型・洋型どちらの墓石にも合わせやすい
インド産の黒御影は、同じ黒系でも石種ごとに黒さの深さや石目の粗さ、艶の出方が異なります。
クンナムや高級黒御影の一部はブランド価値も高く、類似名を持つ別石種が出回ることもあるため、産地証明や正式な石種名を確認しながら選ぶことが大切です。
中国・インド以外の産地にも、特徴的な御影石があります。
フィンランド産バルチックキング:ライトグリーン系で、細かな石目が上品な印象。硬質で艶も出やすく、洋型墓石やデザイン墓石で採用例が多い
ノルウェー産ブルーパール・エメラルドパール:黒地の中に青や緑の結晶が輝く高級石材。光の当たり方で表情が変わり、重厚感と華やかさを兼ね備えている
南アフリカ産ラステンバーグ:ダークグレー系で硬質な石。吸水率は比較的低いとされる一方で、採掘場所やロットによっては変色しやすいケースもあり、事前の確認が欠かせない
このような石種は、一般的な墓石だけでなく、モニュメントやデザイン性の高い墓所、建築内装などにも多く使われています。
価格帯は中国・インド産と比べて高くなる場合もありますが、「他とは違う墓石にしたい」「デザイン性を重視したい」といったニーズに応えやすい石が多いグループです。
色で選ぶ際の大まかな傾向としては、
白〜グレー系:落ち着きや清潔感があり、どの墓地環境にもなじみやすい
黒御影:重厚感・格式・メリハリを演出しやすい
ピンク・赤系:柔らかく華やかな印象で、温かみのある墓所にしたい場合に向く
緑系・マルチカラー系:個性的でデザイン性が高く、故人の趣味やイメージを表現しやすい
といった特徴があります。
ただし、産地や色だけでなく、石目の細かさ(目が細かいほど上品に見えやすい)、吸水率(一般的な硬石は0.5〜5%程度が目安とされ、JIS A 5003の基準では5%以下が推奨されています)、採石の安定性なども含めて検討することで、見た目だけに偏らない納得度の高い選択につながります(出典:JIS A 5003「石材」https://kikakurui.com/a5/A5003-1995-01.html)。

御影石を墓石に選ぶ際は、良い点だけでなく注意点も把握しておくことで、後から「聞いていなかった」というギャップを減らすことができます。
ここでは、一般的なメリットとデメリットを整理し、どのような点に気をつけて石種や石材店を選べばよいかを解説します。
まずメリットとして挙げられるのが、耐久性の高さです。
御影石は、火成岩の中でも硬度と圧縮強度に優れた石材であり、適切な石種を選べば、何十年、場合によっては百年以上にわたって、形状を大きく変えずに存在し続けることが期待できます。
JIS A 5003で定められた硬石クラスに分類される石材は、圧縮強度が高く、屋外での長期使用に向く性質を持っています。
また、吸水率が低い石種を選べば、雨水や結露によるシミ、凍結によるひび割れなどのリスクを抑えられます。
石は見た目には硬くても、内部に微細なすき間が存在するため、吸水率が大きいと、そこから水分や汚れが入り込み、時間の経過とともに変色やざらつきが目立ってくることがあります。
墓石用に推奨される御影石は、吸水率が1%前後〜数%程度の範囲に収まるものが多く、比較的安定した経年変化が期待できます。
美観の面でも、御影石には大きな魅力があります。
研磨仕上げを施した御影石は、表面に艶が生まれ、光沢のある仕上がりになります。
黒御影は、光を映し込むような深い艶が出やすく、引き締まった印象を与える
白やグレー系は、明るく清潔感のある雰囲気を演出できる
桜色や緑系、マルチカラー系は、やわらかさや個性を表現しやすい
といったように、色や石目によって墓所の印象が大きく変わります。
和型・洋型・デザイン墓石のいずれにも合わせやすく、文字や家紋の彫刻もくっきりと映えるため、デザインの自由度が高い点も利点です。
一方で、御影石のデメリット・注意点も存在します。
まず、品質や産地によって価格差が大きいことが挙げられます。
特に国産の銘石や高級黒御影は、同じ墓地面積や石塔寸法でも、外国産の一般的な石種と比べると費用が数十万円単位で変わることがあります。
予算を重視する場合には、国産にこだわるのか、性能の良い外国産を候補に入れるのかを慎重に検討する必要があります。
さらに、外国産の一部石種では、採石状況の変化や山の切り進み具合により、同じ石種名を名乗っていても、ロットによって色味や石目が異なるケースがあります。
カタログや小さなサンプルだけでは分かりにくいため、可能であれば実際にその石で建てられた墓石の写真や現物を見学し、「想像していた色と違う」というギャップを減らしておくと安心です。
また、御影石は硬さゆえに、施工には専用の機械と経験が必要になります。
石そのものの性能が高くても、
据え付け時の基礎工事が不十分
接合部分のモルタルや金具の扱いが適切でない
耐震対策が省略されている
といった場合には、数年〜十数年で石が傾いたり、ズレが生じたり、目地に隙間が出て雨水が入りやすくなることがあります。
石材選びと同じくらい、工事の技量や施工体制を確認することが欠かせません。
さらに、御影石は「メンテナンス不要」というわけではなく、長く美しさを保つためには、定期的な掃除や点検も大切です。
柔らかいスポンジと水を使った清掃で十分な場合が多いものの、経年で艶が落ちたり、シミが気になってきた場合には、石材店や専門業者によるクリーニングや再研磨、コーティングを検討することもあります。
こうしたメンテナンス費用も、長期的に見ればトータルコストの一部として考えておくと、現実に即した予算設計がしやすくなります。
以上を踏まえると、御影石のメリット・デメリットを事前に理解したうえで、
どの程度の期間、美観を保ちたいか
国産へのこだわりと予算のバランスをどう考えるか
石材そのものと施工業者の両方にどこまで品質を求めるか
といった点を整理しながら、希望のデザインや予算に合った石種を選ぶことが大切です。
そのうえで、信頼できる石材店や施工業者と十分に相談しながら進めることが、満足度の高い墓石づくりにつながります。

御影石の墓石選びで失敗や後悔を避けるためには、色や雰囲気といった見た目だけで決めてしまわず、石そのものの性質や、基礎工事を含めた施工内容まで総合的に確認していくことが大切です。
ここでは、検討の際に押さえておきたいポイントを、少し踏み込んだ視点から整理します。
まず、石そのものについては、吸水率と硬度に注目します。
吸水率とは、石がどれだけ水を吸い込むかを示す数値で、通常はパーセント(%)で表されます。
値が低いほど水を含みにくく、雨水や結露が内部に入り込みにくくなります。
吸水率が高い石は、内部に入った水が凍結や膨張を繰り返すことで、ひび割れや表面の剥離、シミなどの劣化につながりやすくなります。
一方、吸水率が低い石は、こうした劣化の進行を抑えやすく、長期間にわたり安定した状態を維持しやすい性質があります。
硬度とあわせて確認したいのが、圧縮強度や曲げ強度といった力学的性質です。
圧縮強度は、石が上から押しつぶされる力にどれだけ耐えられるかを示す値で、単位はMPa(メガパスカル)で表されることが一般的です。
墓石として使用される御影石は、おおむね100MPa以上の圧縮強度を持つものが多く、屋外で長期間荷重を支える用途にも適しています。
曲げ強度は、石を横から曲げようとしたときの耐久性を示す値で、細い部材や持ち出し部があるデザイン墓石の場合には特に確認しておきたい指標です。
石材店が提示するデータやカタログに、吸水率・圧縮強度・見掛け比重などの数値が掲載されている場合は、その石が一般的に「硬石」とされるレベルかどうか、複数の石種を比較する際の参考になります。
数値の意味が分かりにくい場合は、単に「この石とこの石では、どちらが水を吸いにくいか」「どちらが割れにくいか」といったかたちで、担当者にかみ砕いた説明を求めてみると良いでしょう。
次に、同じ石種名の中での等級やランクにも目を向けます。
庵治石や大島石、天山石など、採掘場所が複数ある石には、特級・一級・二級といった等級が設定されていることがあります。
これらの等級は、必ずしも「上位等級の方が物理的に硬い」という意味ではなく、色味の濃さ、石目の細かさ、斑模様の出方など、見た目の評価基準を反映した区分である場合も少なくありません。
一般的には、
目が細かい
色むらが少ない
人気のある色合い・模様に近い
といった特徴を持つ石ほど上位等級とされ、価格も高くなる傾向があります。
同じ名前の石でも、等級が変わると墓石全体の印象や費用が大きく変わるため、気に入った石がある場合は「この石の中でどのランクを使うのか」「ランクを一段下げた場合に見た目や価格がどの程度変わるのか」をあらかじめ確認しておくと、納得のいく判断につながります。
見た目の確認については、小さなサンプルだけで判断しないことも大切です。
手のひらサイズのサンプルと、実際に大きく加工された石塔では、同じ石種でも色の印象や石目の出方が変わって見えることがよくあります。
石目の大きさや模様の流れ方は、スケールが大きくなるほど目立ちやすくなるためです。
可能であれば、石材店の展示場に足を運び、実際の墓石や外柵を見て、候補としている石種がどのような雰囲気になるのかを確認しておくと安心です。
遠方などで展示場に行けない場合でも、これまでの建墓実績の写真や施工例を見せてもらい、「イメージしている色味・雰囲気と大きくずれていないか」をチェックしておきたいところです。
契約時には、次のような項目が見積書や契約書に明記されているかどうかを丁寧に確認します。
石種名(例:大島石、クンナムなどの正式名称)
産地(国名・県名、必要に応じて採掘山名)
等級・ランク(特級、一級など)
使用する部位ごとの石種(石塔は国産、外柵は外国産などの場合)
加工内容(磨き仕上げの範囲、角の面取り、彫刻方法など)
付属品(花立・香炉・墓誌・塔婆立てなど)の有無と材質
基礎工事の方法(コンクリート厚、鉄筋の有無、耐震施工の有無など)
建てた後の保証内容(傾きや沈下への対応期間、文字の再彫りなど)
特に、国産石と外国産石の組み合わせや、国産石を海外で加工しているケースでは、原産地と加工地があいまいになりやすいため、説明内容が明確かどうかが重要になります。
「国産材」と表記されていても、実際には国産の原石を海外工場で加工しているケースなど、パターンはいくつか考えられます。
気になる場合は、原産地証明書の有無や、どこで採掘・加工されているのかを具体的に質問し、不明点を残さないようにしておくと安心です。
また、見積もりを比較する際には、「合計金額」だけで判断せず、上記の項目がどこまで含まれているか、他社見積もりと条件がそろっているかを確認することが欠かせません。
例えば、ある見積もりには基礎工事や文字彫刻が含まれている一方、別の見積もりではそれらが別料金になっていると、単純な金額比較だけでは実態がわからなくなってしまいます。
さらに、信頼できる石材店かどうかも、失敗を防ぐ大きなポイントです。
自社で加工工場や施工部門を持っているか
実績や施工事例を具体的に提示してくれるか
メリットだけでなく、デメリットや注意点も率直に説明してくれるか
契約前に細かな質問にも丁寧に答えてくれるか
といった点を総合的に見て、「長く付き合っていける相手かどうか」を判断していくことが大切です。
価格だけが極端に安い場合や、契約を急かされる場合には、一度立ち止まって内容を見直してみることも検討に値します。
このような点をひとつひとつ押さえていくことで、パンフレットの写真やその場の印象だけに流されず、自分たちの予算、好み、将来のメンテナンスのしやすさなどを含めた「総合点」で御影石の墓石を選びやすくなります。
結果として、建てた後の満足度が高まり、「あのときこうしておけばよかった」という後悔を減らすことにつながっていきます。
この章で解説する内容
御影石墓石の価格相場
信頼できる石材店の選び方
メンテナンス方法
御影石墓石のよくある疑問
御影石の墓石選びのまとめ

御影石墓石の価格相場は、「いくらから買えるか」だけでなく、「何にどれくらいお金がかかっているのか」を知ることで、かなりイメージしやすくなります。
金額だけを見比べると高い・安いの印象だけが先行しがちですが、石種や産地、区画の広さ、デザイン、工事内容などの条件が違えば、同じ御影石でも総額は大きく変わります。
一般的な和型の墓石一式(墓石本体+外柵+彫刻+据え付け工事)では、おおよそ70万~200万円前後が一つの目安とされます。
ただし、国産の高級石材を使用したり、区画が広い霊園でボリュームのある外柵を設けたり、デザイン墓石にしたりすると、300万円以上になるケースも珍しくありません。
まずは、石種ごとの目安を国産と外国産に分けて整理してみましょう。
国産御影石は、採掘量に限りがあることや、人件費・輸送費の影響もあり、全体として価格帯は高めです。
特に庵治石や本小松石のような銘石は、原石から墓石に使用できる部分の割合が低く、希少性が価格に反映されています。
代表的な国産御影石の目安は、次のようなイメージです。
| 石種名 | おおよその価格帯(墓石一式) | 特徴の一例 |
| 庵治石 | 約300万~400万円前後 | 斑模様が出る細目の上級品ほど高額 |
| 大島石 | 約100万~300万円前後 | 等級により価格差が大きい |
| 天山石 | 約40万~80万円前後 | 施工費込みでの目安として紹介されることも多い |
| 真壁石 | 約50万~120万円前後 | 小目・中目・外柵中心など条件で変動 |
同じ石種の中でも、
等級(特級・一級・二級など)
使う部位(石塔のみ国産、外柵は外国産などの組み合わせ)
区画の広さと石材使用量
デザインの複雑さ
によって、総額には大きな幅が出ます。
白御影より黒御影のほうが高価になりやすく、同じ白御影でも、目が細かく色味が揃ったものほど高く評価される傾向があります。
外国産の御影石は、国産に比べて全体的に価格を抑えやすく、品質と費用のバランスが取りやすい選択肢です。
特に中国産・インド産の石は種類が豊富で、限られた予算のなかでも候補を探しやすいグループと言えます。
代表的な石種の目安は、次のようになります。
| 石種名 | おおよその価格帯(墓石一式) | 特徴の一例 |
| インパラブラック | 約60万円前後 | 黒系の中では比較的手が届きやすい価格帯 |
| 黒龍石 | 約20万~40万円前後 | 外柵中心の構成で紹介されることも多い |
| クンナム | 約50万~70万円前後 | 黒御影としては高級だが国産黒より抑えやすい |
| ベルファースト | 約60万~100万円前後 | 石塔・外柵の構成やサイズで幅が出る |
外国産石材の価格は、石そのものの希少性に加え、
為替レート(円高・円安)
現地の人件費や燃料費
採掘状況(採掘が進み、品質の良い層が減ってきていないか)
海上輸送コスト
などの影響を受けます。
そのため、同じ石種でも年によって相場が変動することがあり、見積もりを取ったタイミングでの価格情報を確認しておくことが大切です。
「総額いくらかかったか」だけでは、他社と見積もりを比較しにくいため、費用の内訳に目を向けることが役立ちます。
一般的には、次のような要素で構成されています。
石材費(石塔・外柵・付属品などに使う御影石そのものの価格)
加工費(切削・研磨・面取り・穴あけなどの加工工賃)
文字彫刻費(家名・建立者名・戒名などの彫刻)
基礎工事費(コンクリート打設・鉄筋・地盤整備など)
カロート(納骨室)の施工費(コンクリート製・御影石製など)
設置工事費(搬入・組み立て・据え付け・耐震金具の取付など)
申請・諸経費(霊園への申請、既存墓石の撤去費用などが含まれる場合もある)
同じ石種を使っていても、基礎工事をどこまでしっかり行うか、耐震対策をどの程度取り入れるか、付属品をどこまで含めるかによって総額は変わります。
見積書を見る際には、
どこまでが基本プランに含まれているのか
別途費用がかかる項目は何か
文字彫刻や追加彫刻の費用はどうなっているか
といった点を確認し、「一見安く見えても、あとから追加費用が膨らまないか」をチェックしておくと安心です。
価格相場はあくまで目安であり、「この金額より高いから割高」「安いから粗悪」という単純な判断はできません。同じ100万円の見積もりでも、
石種・等級が違う
基礎工事の内容が違う
付属品の有無が違う
といった条件によって、実際の内容は大きく変わります。
複数社の見積もりを比較する際には、金額だけでなく「条件を揃えて比較できているか」に注意し、納得できる説明が受けられるかどうかも併せて確認することが大切です。

御影石で墓石を建てる際、どの石材店に依頼するかは、仕上がりだけでなく、その後の安心感にも大きく関わってきます。
同じ石種・同じ予算であっても、提案内容や工事の品質、アフターケアの姿勢によって、満足度は大きく変わります。
信頼できる石材店かどうかを見極めるために、押さえておきたいポイントを順番に整理してみましょう。
まずは、その石材店がどのような石種を扱っているか、どの程度の実績があるかに注目します。
国産・外国産ともに複数の石種を扱っているか
各石種の特徴やメリット・デメリットを具体的に説明できるか
自社で加工工場を持っているか、あるいは提携工場の情報を開示しているか
和型・洋型・デザイン墓石など、どのタイプの施工事例が多いか
といった点を確認すると、その石材店の得意分野や専門性の方向性が見えてきます。
施工事例を見せてもらう際には、単に「きれいな写真があるかどうか」だけでなく、
何年くらい前に建てた墓石か(経年変化の状態が分かるか)
自分が建てたい墓地の環境(公営霊園・民営霊園・寺院墓地など)と似た事例があるか
似た予算感の事例を提示してもらえるか
といった視点も持っておくと、より具体的なイメージがつかみやすくなります。
信頼できる石材店は、見積もりの内容をできるだけ分かりやすく、細かく提示してくれます。
チェックしたい主な項目は次の通りです。
石種名(例:大島石一級、クンナムなど正式名称)
産地(国名・県名)と等級(特級・一級など)の明記
石材の使用量(石塔・外柵・付属品ごとの目方または寸法)
加工内容(本磨き、ビシャン仕上げ、面取りの有無など)
基礎工事の仕様(コンクリート厚、鉄筋径・配筋ピッチ、砕石厚など)
彫刻内容(表文字・家紋・建立者名・戒名の数など)
付属品(花立・香炉・墓誌・塔婆立て・拝石など)の有無と材質
既存墓石の撤去費・処分費の有無
消費税や諸経費を含めた税込総額かどうか
説明を求めたときに、専門用語だけで押し切るのではなく、図や写真なども使いながら、一般の人にも理解しやすい言葉で説明してくれるかどうかは、その石材店の姿勢を測るうえで大きなポイントです。
墓石は建てて終わりではなく、その後何十年も管理していく存在です。
建てたあとにどのようなフォローをしてもらえるかは、石種やデザインと同じくらい大切な要素です。
事前に確認しておきたい主な項目は次の通りです。
完成後の定期点検の有無と内容
傾きや沈下、石のズレが生じた場合の対応と保証期間
目地の割れや欠けが起きた場合の補修対応
追加彫刻(戒名や法名の追加)の費用と依頼方法
クリーニングや再研磨、コーティングなどのメンテナンスメニューの有無
緊急時の相談窓口や担当者の連絡体制
こうした情報があらかじめ開示されているか、質問したときに具体的な内容が返ってくるかどうかは、長期的なサポートをどこまで重視しているかを知る手がかりになります。
一社だけで決めてしまうと、その見積もりが高いのか安いのか、妥当なのかどうか判断しにくくなります。
時間に余裕があれば、同じ条件(同じ墓地・同じ区画・同じ石種候補・同じようなデザイン)で複数社に見積もりを依頼し、比較してみることをおすすめします。
その際、次のような点を見ていくと、それぞれの石材店の姿勢が見えやすくなります。
金額だけでなく、内訳や仕様の説明がどこまで丁寧か
デメリットやリスク(例えば「この石種はシミが出やすい傾向がある」など)もきちんと伝えてくれるか
こちらの質問や不安に対して、時間をかけて説明してくれるか
契約を急かさず、比較検討の時間を尊重してくれるか
安さだけに注目すると、基礎工事が簡略化されていたり、石種や等級があいまいだったりするケースに気づきにくくなります。
価格と内容、説明のわかりやすさ、担当者との信頼関係の築きやすさを総合的に見て、「この人とこの会社に任せたいと思えるかどうか」を判断していくことが、結果として満足度の高い選択につながります。

御影石の墓石は非常に丈夫な石材ですが、常に雨風や直射日光、排気ガス、土埃、苔・カビなどにさらされています。
まったく手入れをしないまま放置すると、どんな良質な御影石でも少しずつ艶が落ち、シミや黒ずみが目立つようになっていきます。
定期的なメンテナンスを行うことで、石本来の輝きを長く保ちやすくなり、結果的に大がかりな修復や建て替えのリスクを減らすことにもつながります。
基本的な掃除の流れは、次のようになります。
墓石全体を水で軽く流し、砂やホコリを落とす
やわらかいスポンジや雑巾で、水洗いしながら表面の汚れをこすり落とす
細かい部分や彫刻の溝は、やわらかめの歯ブラシなどで優しく擦る
必要に応じて墓石用の中性洗剤を薄めて使用する
最後にきれいな水で洗剤をしっかり流し、やわらかい布で拭き上げて乾かす
最初に水で全体を濡らす工程は、砂や小石が付いたままこすって傷をつけることを防ぐ意味があります。
いきなりスポンジでこするのではなく、じゅうぶんに水をかけてから作業を始めると安心です。
夏場は石が高温になっていることも多いので、直射日光が強い時間帯を避け、朝夕など比較的涼しい時間に掃除を行うと、水分や洗剤が急速に乾いてシミになるリスクも抑えられます。
汚れを落とす際に使う道具は、食器用スポンジの柔らかい面や、綿・マイクロファイバーなどの柔らかい布が基本です。
鳥のフンや落ち葉がこびり付いていると、つい力を入れてこすりたくなりますが、金属ブラシや硬いたわし、研磨剤入りのスポンジは御影石の表面に細かな傷を残す原因になります。
傷ついた部分はその後汚れが入り込みやすくなり、かえってメンテナンス性が落ちてしまうため避けたほうが無難です。
彫刻部分や目地まわりなど細かい箇所の汚れには、毛先の柔らかい歯ブラシが重宝します。
強くゴシゴシこするのではなく、泡立てた洗剤を含ませて、細かくなでるように動かすイメージで使うと、文字の線や角を傷めにくくなります。
洗剤を使う場合は、墓石・石材用として販売されている中性のもの、または石材店が推奨する中性洗剤を薄めて使うのが基本です。
台所用などの中性洗剤を使う場合も、原液ではなく水でよく希釈し、使ったあとは十分な水で洗い流します。
強い酸性・アルカリ性の洗剤、塩素系漂白剤、カビ取り剤などは、石の表面を化学的に傷めたり、艶を失わせたりするおそれがあります。
海外の墓石保全ガイドラインでも、強酸・強アルカリや漂白剤、高圧洗浄機の強い水圧は石材劣化の原因になるとして避けるよう勧告されています(出典:米国国立公園局「Best practice recommendations for cleaning government-issued headstones」https://www.nps.gov/articles/000/best-practice-recommendations-for-cleaning-government-issued-headstones.htm)。
掃除の頻度の目安としては、以下のように考えると無理なく続けやすくなります。
遠方でなかなか行けない場合:春・秋のお彼岸、お盆など年に2〜3回
比較的近くにお墓がある場合:季節の節目ごとに年4回程度
樹木が多く苔・ヤニ・落ち葉が溜まりやすい場所、交通量が多く排気ガスの影響を受けやすい場所:可能であれば月に1回程度の簡単な水洗い
一度に完璧を目指す必要はなく、墓参りのついでに落ち葉を払う、濡れタオルで簡単に拭き取るなど、小さな手入れを積み重ねていくことが、長期的には大きな差になります。
また、掃除の際には、ひび割れや傾き、目地の割れ、石同士のズレがないかもあわせて確認しておくと安心です。
小さな傾きやぐらつきの段階で専門店に相談すれば、基礎や金具の補修で済むケースも多く、倒壊など大きな事故の予防にもつながります。
自分でセメントや接着剤を詰めてしまうと、後から本格的な修理が難しくなる場合もあるため、構造部分の補修は専門業者に任せるほうが安全です。
数年に一度は、石材店や墓石の専門業者によるメンテナンスも検討してみてください。
プロによる高圧洗浄(石に適した低圧設定)、シミ取り、カビやコケの専用薬剤処理、研磨による艶出しやコーティングなどは、日常の掃除では対応しきれない深い汚れや水垢、艶の低下に対して効果が期待できます。
費用は墓所の規模や汚れの状態で変わりますが、10年に1度程度、リフレッシュの意味も兼ねて検討する方も少なくありません。
このように、日常のやさしい水洗いと、数年ごとの専門ケアを組み合わせることで、御影石の墓石は何十年という時間を経ても、落ち着いた美しさを保ちやすくなります。

御影石の墓石を検討していると、多くの人が似たようなポイントで迷います。
ここでは特によく聞かれる疑問を取り上げ、判断するときの考え方を整理します。
まず多いのが、国産と外国産はどちらが良いのかという質問です。
国産御影石は、神社仏閣や城郭、公共建築などで長年使われてきた実績があり、産地や石種のブランド力、トレーサビリティ(原産地や採掘履歴の追跡可能性)の高さが魅力です。
庵治石や大島石、真壁石などは、国内外から高い評価を受ける銘石として知られており、「日本の石で建てたい」という価値観を大切にしたい場合に適しています。
一方で、外国産の御影石も、中国・インド・南アフリカ・北欧など世界各地から多く輸入されており、吸水率や硬度の面で国産と比べても遜色ない石種が多数あります。
同程度の性能でありながら価格を抑えやすいものも多いため、予算を重視したい場合や、デザイン性の高い色柄を選びたい場合には有力な選択肢になります。
現実的には、「絶対に国産・絶対に外国産」と決めつけるよりも、希望のデザイン・予算・信頼できる産地かどうかを総合的に見て選ぶ考え方が現実的です。
次によく問われるのが、黒御影と白・グレー系のどちらがよいかという点です。
黒御影は、文字彫刻がくっきりと浮かび上がり、高級感と重厚感のある印象を与えやすい石種です。
和型・洋型どちらにもよく合い、「落ち着いた格調の高さ」を求める場合に好まれます。
その一方で、黒い石は水滴の跡や指紋、砂埃などが目立ちやすく、雨上がりなどに輪ジミのように見えることもあります。
定期的に拭き掃除をしてあげることで、艶やかな状態を保ちやすくなります。
白やグレー系の御影石は、全体として明るく柔らかな印象になりやすく、近年は洋型やデザイン墓石でも多く採用されています。
汚れそのものは黒御影と同様に付着しますが、色のトーンが明るいため目立ちにくいという側面があります。
その反面、鉄分を含む石種ではサビや茶色いシミが出ていることに気づくのが遅れ、気がついたときには広がっていたというケースもあります。
どの色を選ぶ場合でも、汚れや変化に早めに気づくために、定期的な点検が大切です。
三つ目の大きなテーマが、コーティングの必要性に関する疑問です。
最近は、御影石の表面に撥水性のコーティング剤を塗布し、水や汚れをはじきやすくするサービスが増えています。
コーティングにより、一時的には水滴が玉になって転がりやすくなり、雨染みや苔の付着を抑える効果が期待できます。
ただし、コーティング剤の種類によっては、数年単位で効果が薄れていくものもあり、半永久的にメンテナンス不要になるわけではありません。
また、石の表面を完全に覆いすぎるタイプのコーティングは、石内部に含まれる水分が抜けにくくなり、逆に剥離や白濁の原因になる可能性も指摘されています。
コーティングを検討する際には、使用する薬剤が御影石に適したものか、どの程度の期間効果が持続する想定なのか、再施工は可能かどうかなどを石材店に具体的に確認しておくと安心です。
「掃除の手間を減らしたい」「苔が付きやすい環境なので対策したい」といったニーズがある場合に、選択肢の一つとして検討するイメージが良いでしょう。
このほかにも、御影石の墓石は地震にどの程度耐えられるのか、古いお墓をそのまま残すべきか建て替えるべきか、伝統的な和型と自由なデザイン墓石のどちらが良いか、といった点もよく話題になります。
耐震については、石材そのものの強さだけでなく、ステンレス芯棒や免震パッド、耐震金具など、どのような施工方法を採用しているかが大きく影響します。
建て替えの可否や費用は、墓地の規約や現状の構造によって変わるため、個別の現地確認が欠かせません。
疑問があるときには、一人で抱え込まず、石材店や墓地管理者に率直に質問し、納得のいく説明を受けたうえで判断を重ねていくことが大切です。
時間をかけて疑問点を解消しながら進めることで、完成したあとに「こうしておけばよかった」という後悔を減らし、自分たちらしい御影石の墓石を形にしやすくなります。
御影石の墓石は花崗岩や閃緑岩でできた耐久性の高い石材
日本では福島や香川など国産の産地と中国やインドなど海外産地がある
御影石が墓石に使われる理由は硬さと吸水率の低さと美しい艶にある
同じ御影石でも産地や採石場所により色や石目が大きく異なる
国産の庵治石や大島石は品質が高いが希少で価格も高くなりやすい
外国産のインドや中国の御影石は種類が豊富で価格と性能のバランスが良い
黒御影は重厚感があり白やグレー系は明るく落ち着いた印象になる
御影石墓石の価格相場は一式でおおよそ七十万から二百万円前後が目安
石材費に加えて彫刻や基礎工事などの費用を含めて総額を確認することが大切
吸水率と硬度や等級を確認し実物の施工例も見てから石種を選ぶと安心しやすい
信頼できる石材店は見積もりの内訳が明確で質問にも丁寧に答えてくれる
掃除は柔らかいスポンジと中性洗剤を使い定期的な水洗いと拭き上げを行う
数年ごとに専門業者のメンテナンスを依頼すると美観を長く保ちやすい
国産と外国産や黒と白で優劣を決めつけず予算と好みと管理のしやすさで選ぶ
家族で話し合い石種とデザインと石材店を総合的に比較して御影石 墓石を決める
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