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現在は埋葬のかたちもさまざまあります。お墓に埋葬するにも「家墓」や「個人墓」、「夫婦墓」「両家墓」「共同墓」「集合墓(合祀墓・合葬墓)」などがあります。
従来からある伝統的なお墓は、みな子孫が受け継ぐ「家墓」といいます。しかし、お墓の面倒をみる人が少なくなってきた現在では、他の人が入らない「個人墓」や夫婦だけの「夫婦墓」なども増てきています。
また、「両家墓」というのは、長男長女同士の結婚や一人娘などの結婚により、墓石に両家の姓を彫刻し両家を祀ったお墓のことです。
「共同墓」とは、友人や信仰を同じくする人がともに入ったお墓のことです。真言宗の本山である高野山に多くある企業墓(会社墓・団体墓)もこの一種であります。
埋葬とは、死者を地中や地下に埋めることいいます。現在では墓や埋葬用の施設に収める事も含まれます。古くは、ネアンデルタール人が死者を埋葬した化石が発見されたりしています。
その時代時代で石棺や古墳など色々な埋葬形態が行われていました。ネアンデルタール人は死者を土の中に埋葬して花を手向けたと言われています。人間が「動物」から「人」になった瞬間だとも言われているのです。
現在の日本では火葬後に埋葬されるのが一般的です。しかし、法律では土葬が禁止されているわけでは有りません。(一部の自治体では条例により土葬が禁止されています。)
遺体を火葬した後の焼骨を粉末状にしてから、川、海、空、山、森林などのまく葬送の方法です。日本では一部地域では条例などで禁止されています。
しかし、ほとんどの地域では法律上散骨を行っても問題はないようです。ですが、散骨した近くや河川などの下流に住む人たちからの苦情や問題が発生している場合もあるため、実際に散骨を行える場所はかなり限られているのが現状のようです。
国外のブータンや中国などでは一般的に散骨が行われています。石原裕次郎、横山やすし、hide、アルベルト・アインシュタイン、などの有名人は散骨を行ったようです。
遺体を焼却し葬送する方法です。日本には仏教と共に火葬が伝わりました。記録に残る最初の火葬は西暦700年に僧の道昭のものだと言われています。
現在の日本では、一部の神道などの宗教的な問題と、離島や山間部など火葬場のない墓所以外では、ほぼ火葬により遺体が処理されているようです。
また、日本の墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年制定)では定められた疾病以外で亡くなった場合に、死後24時間以内は火葬してはならないという決まりもあります。1873年(明治6年)には神道派の要望で火葬禁止令が出されたようですが、2年後の1875年(明治8年)に仏教派からの反対で解除されました。
海外では儒教やイスラム教、キリスト教の一部の宗派では火葬が禁じられているため、火葬を行わない場合も多くあります。
一般的に日本では人が亡くなると、通夜から葬儀・告別式(いわゆる葬式)行い火葬をしてから葬送の順で行われます。しかし、それらを行わず火葬と葬送のみを行う方式を直葬といいます。
遺体をそのまま地面に埋葬する葬送方法です。日本では昭和の初期までは一般的に行われていました。現在でも定められた疾病以外の場合のほかは法律で禁止などはされておりません。
ですから、山間部などのへき地では土葬が行われている地域も有るようです。しかし、東京都など都市部の自治体などでは、衛生面などの問題からも条例で禁止をしている場合も有ります。
ちなみに、東日本大震災の際には遺体保存の為の施設やドライアイスの不足や火葬場の被災による使用不可などから、多くの遺体が土葬されたとのことです。
土葬を行った場合、数十年後などに棺おけや遺体が腐ると土葬を行った場所が沈み込んだりするため、再び土を盛らなければならないなど後の手間がかかる場合もあります。
心霊現象などで語られる火の玉(ひとだま)は、土葬した人体から出たリン(燐)が水などに反応して発火したものだといわれています。
遺体を海や川に流して沈める葬送方法です。現在の日本では法律で禁止されています。
しかし、船員法により船舶の航海中に人間が死亡した場合に船長の権限で行うことや、自衛隊でも状況に応じて水葬を行うことが出来るようです。船員法15条では水葬に関して以下の条件が定められています。
死亡後24時間経過したこと(伝染病以外)衛生上、船内に死体を保存できないこと。(ただし、船舶が死体を載せて入港することを禁止された港に入港しようとするときその他正当の事由があるときを除く)医師の乗り組む船舶にあっては、医師が死亡診断書を作成すること。
伝染病によって死亡した場合は、十分な消毒を行うこと。本人写真の撮影、遺髪、遺品の保管をし、遺体が浮き上がらない処置を講じた上で相当の儀礼をもって行うこと。海外ではインドのガンジス川などでヒンドゥー教徒による水葬が行われているのが有名です。
鳥に遺体を食べさせることにより葬送する方法です。チベット仏教や、パールスィーと呼ばれるインドのゾロアスター教徒が鳥葬を行うようです。
チベット仏教では遺体を石でできた鳥葬台に置いて専門の職人が遺体を解体してハゲワシなどの鳥が食べやすいようにします。
ゾロアスター教では沈黙の塔「ダクマ」と呼ばれる石でできた円筒形の構造物内に遺体を置き鳥葬を行います。日本では鳥葬は行えません。刑法190条の死体損壊罪で罰せられる可能性があります。
チベット仏教でダライラマやパンチェンラマなどの位の高い僧などに対して行う葬送方法で、塔葬は遺体に塩を塗りこみ乾燥させてから香料や薬品をぬって遺体を保存する方法です。
場合によっては火葬したあとの遺骨を保存し塔葬とする場合もあるようです。
遺体を埋めた場所に墓石ではなく樹木を植える葬送方法です。
樹木葬ではハナミズキ、サルスベリ、ウメモドキ、エゾアジサイ、モミジなどの種類の木が使用されることが多いようです。
遺体を埋葬せず風雨にさらし風化させる葬送方法です。
崖下墓や洞窟、樹木の上などで風葬を行うようです。日本でもかつて琉球地方などで行われていたようです。
遺体を野原や林などに放置して、鳥獣に施したり、腐敗と風化を自然に任せる葬送方法です。
遺体を一度土葬や風葬してから骨の状態にして、骨を清めて再度埋葬する葬送方法です。
東南アジアや、沖縄、奄美諸島で洗骨の風習があるそうです。また、日本でも離島の一部では現在も行われているとされています。沖縄などの琉球諸島や奄美諸島では風葬を禁止された明治ごろから行われたようです。
遺体を液体窒素で冷凍し粉砕して粉にしてから乾燥させて埋葬する方法です。
火葬などに比べて環境への影響が少ないとされています。スウェーデンで開発された葬送方法です。
遺骨などをロケットで宇宙空間や地球を周回する軌道上に打ち上げて散骨する葬送の方式です。ロケットには多くの遺骨を搭載することが出来ないので、数グラムと少量の遺骨を搭載させるようです。
宇宙葬と言っていますが、実際には地球を周回する軌道に乗せられて数年後に地球の重力につかまって大気との摩擦で消滅するようです。
死体防腐処理、遺体衛生保全とも呼ばれています。死後の遺体を消毒し保存処理(防腐剤の注入や、内臓と血液の摘出)を行うものです。通常、遺体は数日から数週間で腐敗が始まります。
しかし、高度な防腐処理と定期的なメンテナンスを行うことで長期保存を行うことも可能です。エンバーミングはキリスト教などの火葬をしない宗教で国土が広い国(アメリカ合衆国)などで多く行われます。
でも、近年は火葬をする日本でも重いドライアイスを遺体に乗せるのは忍びないなどとの理由から増えてきているようです。また、社会主義国の指導者に多く行われています。有名なエンバーミングの遺体保存には以下の人がいます。
ウラジーミル・レーニン
ヨシフ・スターリン
蒋介石
蒋経国
毛沢東
金日成
金正日
ホー・チ・ミン
フェルディナンド・マルコス