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行年と享年の違いをやさしく解説【表記の注意も】

2025年4月4日

行年と享年の違いをやさしく解説

故人の年齢を表す言葉として「享年」と「行年」がありますが、その違いや使い分けに悩む方は少なくありません。

特に、お墓や位牌に刻むとき、「どちらを使えばいいのか」「それぞれの意味や数え方に違いはあるのか」と疑問に思うことも多いのではないでしょうか。

享年の意味は、天から授かった年齢という考え方に基づき、数え年で表すのが特徴です。

一方で、行年の意味は実際に生きた年数、つまり満年齢を表します。

どちらも故人の年齢を示すものですが、計算方法や使用される場面には違いがあります。

また、「位牌の行年と享年の違いは何ですか?」という質問や、「浄土真宗ではどちらを使うのが正しいのか?」といった宗派ごとの使い方にも気を配る必要があります。

この記事では、享年と行年の違いや正しい使い方、数え方や計算方法などを詳しく解説します。

実際の表記で迷わないよう、基本的な知識をわかりやすくお伝えしていきます。

記事のポイント

  • 享年と行年の意味や使い方の違いがわかる

  • それぞれの数え方や計算方法が理解できる

  • 位牌や墓石での表記の選び方がわかる

  • 宗派や場面ごとの適切な使い分けが理解できる

享年と行年の違いをわかりやすく解説

・享年の意味とは?天から授かった年齢
・行年の意味とは?現世で過ごした年数
・違いを比較して理解する
・数え方・計算方法まとめ
・位牌の行年と享年の違いは何ですか?

享年の意味とは?天から授かった年齢

享年の意味とは?天から授かった年齢

享年とは、故人がこの世で生きた年数を数え年で表現した言葉です。漢字の「享」には「受ける」という意味があり、「享年」は直訳すれば「天から受けた年数」という意味になります。

つまり、天命を全うするまでに与えられた人生の長さを表しているのです。

古くから日本では、年齢の数え方に「数え年」が使われてきました。数え年は、生まれた時点で1歳とし、その後は毎年元旦を迎えるたびに1歳を加えるという独自の方法です。

この考え方は仏教とも深く関わっており、母親の胎内にいる期間から命が始まるという見方が背景にあります。享年は、まさにこの考え方に基づいた年齢表記です。

例えば、ある人が満年齢で80歳で亡くなった場合、享年としては81歳または82歳と記されることになります。これはその人が亡くなった年の誕生日を迎えているかどうかによって異なります。

ただし現代では、満年齢の普及とともに享年の意味が分かりにくくなってきているため、誤解されることも少なくありません。

とはいえ、享年には「命を受けて生きた」という尊さを表現する意味が込められており、特に寺院や仏教的儀式では今も重んじられています。

行年の意味とは?現世で過ごした年数

行年とは、故人が現実世界で生きた期間を満年齢で表したものです。「行」という文字には、仏教的には「修行」を意味する側面があり、「現世で修行した年数=行年」という捉え方がされています。つまり、私たちが日常的に使っている年齢の数え方、いわゆる満年齢が行年のベースになっています。

ここでいう満年齢とは、生まれた日を0歳とし、その後の誕生日ごとに1歳ずつ加えていく方式です。多くの人にとってこちらの方がなじみ深く、実感として分かりやすいという特徴があります。

行年という表記は、主に霊園や一般の墓石に刻まれる場面で使われることが多く、シンプルで誤解が少ないという利点があります。特に近年では、数え年よりも満年齢での表記が一般化しているため、行年の方が選ばれる傾向にあります。

ただし、行年という言葉そのものはあまり日常会話では登場しないため、見慣れないという人もいるかもしれません。

その場合は、単に「〇〇歳で逝去」と表記する方法もありますが、正式な文面や墓碑などでは「行年〇〇歳」と丁寧に記されることも多いです。

違いを比較して理解する

違いを比較して理解する

享年と行年はいずれも故人の年齢を示す言葉ですが、根本的な違いは「年齢の数え方」にあります。享年は数え年、行年は満年齢を使うというのが最大のポイントです。これにより、同じ人の年齢でも、享年と行年では1歳または2歳の差が生じます。

もう一つの違いは、使用される場面です。享年は仏教や寺院の影響を強く受けており、主に位牌や寺院墓地の墓石などで使われます。一方、行年は公共性の高い霊園や一般家庭の墓所で使われることが多く、より現代的で実用的な表現といえます。

また、享年は日本古来の長寿を尊ぶ文化の名残として、亡くなった方の人生を肯定的にとらえる表現でもあります。対して、行年はあくまで実際の生存年数を記録するための現実的な数値です。

このように考えると、享年と行年の違いは単なる数字の問題にとどまらず、それぞれに込められた思想や文化的背景の違いとも言えます。そのため、どちらを使うかは、宗教的な意義や遺族の考え方に応じて選ばれるべきでしょう。

数え方・計算方法まとめ

享年と行年はどちらも年齢を表しますが、計算方法に明確な違いがあります。享年は「数え年」、行年は「満年齢」で表すため、それぞれの算出方法を正しく理解しておくことが大切です。

まず享年の計算方法です。これは満年齢に1歳または2歳を加えるのが基本となります。具体的には、亡くなった年の誕生日を迎えていれば+1歳迎えていなければ+2歳を足します。これは、数え年では生まれた時点で1歳とし、毎年元日(1月1日)に1歳加算されるという仕組みによるものです。

一方、行年は満年齢をそのまま使います。生まれた日を0歳とし、誕生日ごとに1歳加えていく方法です。これは私たちが日常的に使っている一般的な年齢と同じです。例えば、1940年に生まれた方が2024年の誕生日前に亡くなった場合、2024−1940−1で83歳となります。

このように、享年と行年では表される年齢に1~2歳の差が生じるため、特に法要や墓碑に記載する際は、どちらの表記であるかを意識する必要があります。菩提寺や家族間での統一を図ることで、混乱を避けることができるでしょう。

位牌の行年と享年の違いは何ですか?

位牌に刻まれる年齢には、「行年」と「享年」のどちらかが用いられますが、それぞれの意味と背景を理解したうえで選ぶことが大切です。位牌は単なる記録ではなく、故人の魂を象徴するものとして扱われるため、表記にも一定の意味合いが込められています。

享年が用いられる場合、数え年によって年齢が記されます。これは仏教的な考えに基づき、命は母胎に宿った瞬間から始まるとする立場によるものです。そのため、位牌を仏壇に祀る際や、仏式の葬儀を行う場合は、享年が用いられるケースが一般的です。

一方で、行年が使われることもあります。これは実際に生きた年数、つまり満年齢を表し、現代的で分かりやすいという点から選ばれることが増えてきています。特に位牌が家庭の中で日常的に見られるものである場合、シンプルで正確な表記が好まれる傾向があります。

ただし、家族や宗派の方針によって選択肢は異なるため、どちらを使っても大きな間違いではありません。過去の位牌と統一することや、菩提寺に確認をとることが失敗のない方法です。なお、誤解を避けるために「享年〇〇歳」「行年〇〇歳」など、明確に書くのも一つの工夫と言えるでしょう。

享年と行年はどちらを使えばいい?

・享年と行年の正しい使い方について
・浄土真宗では「享年」と「行年」のどちら?
・喪中はがきにはどちらが適切?
・墓石に刻む年齢の選び方と注意点

享年と行年の正しい使い方について

享年と行年の正しい使い方について

享年と行年は、いずれも亡くなった方の年齢を表す言葉ですが、どちらを使うかによって伝える内容が変わるため、場面ごとに正しく使い分けることが重要です。

享年は「数え年」をもとにした年齢表記であり、宗教的・儀式的な場面で使われることが多い言葉です。仏教をはじめとする多くの宗派では、命は母胎に宿ったときから始まるという考え方に基づき、享年を採用します。

このため、位牌や仏壇に記される年齢としては、享年が一般的とされます。

一方の行年は、私たちが普段使っている「満年齢」を表す言葉で、より現実的・実務的な印象があります。そのため、霊園の墓石や公的な書類では、行年のほうが選ばれる傾向にあります。

また、誤解が生まれにくいという点も、行年が好まれる理由のひとつです。

こうした背景から、仏教的な儀礼では享年、一般社会的な場面では行年が適しているといえるでしょう。ただし、どちらを使うにしても明確な決まりがあるわけではなく、遺族の意向や故人への想いを優先して問題ありません。

迷ったときは、位牌や墓石の既存の表記と揃える、または寺院や霊園に確認をとると安心です。

浄土真宗では「享年」と「行年」のどちら?

浄土真宗では「享年」と「行年」のどちら?

浄土真宗では、享年を使うことが多いとされていますが、寺院によって対応は異なるため、事前に確認することが大切です。

浄土真宗の教えでは、人は生まれた瞬間から阿弥陀仏の救いを受けているという考えがあり、享年という表記がその思想と親和性が高いといわれています。享年は数え年に基づいており、「天から授かった年齢」を意味するため、仏教的な価値観と相性が良いのです。

一方で、近年は満年齢(行年)を使う家庭も増えており、必ずしも享年でなければならないというわけではありません。たとえば、家族や参列者が数え年に馴染みがなく、年齢の違いに混乱を招くおそれがある場合には、あえて行年を使うケースもあります。

このように、浄土真宗では基本的に享年を用いる傾向があるものの、行年を使うことが不適切というわけではありません。最終的には、菩提寺の方針や家族の意向、既存の位牌や墓石との統一性などを考慮して判断するとよいでしょう。

喪中はがきにはどちらが適切?

喪中はがきに故人の年齢を記す場合、行年(満年齢)を使うのが一般的です。これは、読む相手にとって理解しやすく、誤解を生まないためです。

享年は数え年に基づくため、受け取った人が「実際の年齢より高い」と感じてしまう可能性があります。特に、現代では満年齢で年齢を数えるのが当たり前になっているため、あえて享年を用いると、かえって混乱を招くこともあるでしょう。

また、喪中はがきは仏教行事ではなく、社会的な連絡文としての側面が強いツールです。このため、宗教的な意味合いよりも、わかりやすさと配慮が重視されます。

具体的には「○月に○○が○歳で永眠いたしました」と、満年齢を明記する表現が一般的です。

もちろん、享年という言葉を使ってはいけないわけではありませんが、相手によっては馴染みがないことも考慮する必要があります。

どうしても享年で記したい場合は、「数え年での年齢です」などの補足を添えると丁寧な印象になります。

墓石に刻む年齢の選び方と注意点

墓石に刻む年齢を選ぶ際には、享年か行年のどちらを使うかを慎重に決める必要があります。なぜなら、一度彫刻された文字は簡単に修正できず、後から直すには費用も手間もかかるからです。

まず基本として、享年は数え年、行年は満年齢を意味します。寺院の敷地内にある墓所では、仏教的な背景を尊重して享年が使われることが多い傾向にあります。

一方で、公営霊園や民間霊園などでは、満年齢の行年を採用するケースが増えています。これは、見た人が実際の年齢と混同しにくく、理解しやすいという理由によるものです。

注意したいのは、すでに建立されている墓石に他の故人の年齢が刻まれている場合です。その記載が享年であれば、新たに彫る故人の年齢も享年に揃える方が統一感が出ます

。反対に、行年であれば行年に統一するのが自然です。

また、戒名や没年月日など他の情報とのバランスも考慮する必要があります。画数が少ない行年のほうが彫刻としてはすっきり見えるという実用的な理由で選ばれることもあります。

このように、墓石に記す年齢の表記は、形式的なルールよりも状況に応じた柔軟な対応が求められます。不安がある場合は、墓石店や寺院と相談しながら、最適な方法を選ぶことをおすすめします。

享年と行年の違いと使い分けを総まとめ

  • 享年は数え年で表す年齢のことである

  • 行年は満年齢で表す現実的な年齢である

  • 「享」の字は「授かる」「受ける」の意味を持つ

  • 「行」の字は「行い」や「修行」の意味を持つ

  • 享年は仏教的な意味合いが強く、宗教行事で使われやすい

  • 行年は現代社会で一般的な年齢表記として使われる

  • 数え年は生まれた時を1歳とし、元旦ごとに1歳加える

  • 満年齢は誕生日を迎えるごとに1歳ずつ加える

  • 享年は満年齢に1~2歳を加えて計算する

  • 行年は生年と死亡年の差から、誕生日の有無を考慮して算出する

  • 位牌には享年が使われることが多いが行年でも問題はない

  • 浄土真宗では享年を使う傾向があるが寺院によって異なる

  • 喪中はがきでは行年が一般的であり、相手に配慮した表現になる

  • 墓石には既存の記載と揃えることが統一感につながる

  • 享年と行年はどちらも正解であり、使い分けは状況と意向による

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