Now Loading…

お墓参りで周りを見ると、柄杓で墓石の上から水をかけている方もいれば、水鉢にだけ水を供えて静かに手を合わせている方もいます。
そんな光景を見て、「お墓に水をかけるのは正しいの?」「ご先祖様の頭から水をかけるようで失礼では?」「墓石が傷んだり割れたりしない?」と迷ったことはありませんか。
実は、お墓への水かけについては、「必ず水をかけなければいけない」「絶対にかけてはいけない」と一律に決められるものではありません。
宗派や菩提寺、地域、ご家庭で受け継がれてきた習慣によって考え方が違います。そのため、いちばん大切なのは「どちらが正解か」だけを探すのではなく、水をかける理由とかけない理由の両方を知ったうえで、ご家族のお墓に合った方法を選ぶことです。
こんにちは。伊豆でお墓づくりやお墓のリフォーム、墓じまい、お墓のメンテナンスなどに携わっている鈴木石材店の鈴木です。
この記事では、石材店の立場から「お墓に水をかける意味」を整理しながら、水をかけてもよいのか、かけない方がよい場合はあるのか、墓石を傷めにくい水の使い方までわかりやすくお話しします。
浄土真宗や真言宗など宗派による考え方についても触れますが、宗派名だけですべてを決めつけるのではなく、菩提寺や墓地の決まり、ご家族の慣習を尊重する考え方を基本にしています。
「今まで何となく水をかけてきたけれど大丈夫かな」というあなたも、あまり心配しすぎなくて大丈夫ですよ。故人やご先祖様を大切に思ってお参りしてきた気持ちまで否定する必要はありません。
これからのお墓参りを、より気持ちよく、そして大切なお墓を長く守っていくための参考にしてください。
記事のポイント
お墓に水をかける意味と、かけない考え方の両方がわかる
「結局、水をかけるべき?」と迷ったときの判断基準がわかる
掃除のための水洗いと、供養としての水かけの違いがわかる
宗派や家庭によって作法が違う理由がわかる
墓石を傷めにくい水の使い方や掃除方法がわかる
自分で掃除できる範囲と、石材店へ相談した方がよい状態がわかる
最初に結論をお伝えすると、お墓に水をかけることについて「必ずこうしなければならない」という全国共通の決まりはありません。
水をかけてお参りするご家庭もありますし、水鉢に水を供えるだけのご家庭もあります。掃除では水を使うけれど、供養の意味では墓石の上から水をかけないという考え方もあります。
ですから、「水をかけていたから間違い」「水をかけないから供養になっていない」と単純に考える必要はありません。
私がおすすめしたい判断の順番は、次のとおりです。
墓地や霊園に水の使用について決まりがないか確認する
菩提寺がある場合は、そのお寺の考え方を確認する
ご家族や親族で昔から続けているお参りの仕方を確認する
墓石の状態や季節を見ながら、石を傷めにくい方法を選ぶ
特に寺院墓地では、地域や宗派だけでなく、そのお寺独自のお参りの仕方が伝えられていることがあります。わからない場合は、住職や墓地管理者へ尋ねるのがいちばん確実ですよ。
そして、お参りの作法以上に大切なのは、故人やご先祖様を思い、お墓をきれいにして手を合わせる気持ちです。形式だけに気を取られて、お墓参りそのものが負担になってしまわないようにしたいですね。
お墓に水を使う場面には、大きく分けると「供養として水を供える」「墓石を清める・掃除する」という二つの意味があります。
ここを分けて考えると、お墓への水かけがずっとわかりやすくなります。

お墓に水をかけたり、水を供えたりする背景には、仏教的な供養の考え方や、日本で長く受け継がれてきたお墓参りの習慣があります。
仏教では、香・花・灯明・飲食・浄水などを仏前に供える考え方があり、水は清らかなものとして大切に扱われてきました。
そのため、お墓でもきれいな水を供えることで、ご先祖様や仏様への敬意を表すという考え方があります。
また、「故人の喉を潤してほしい」という思いから水を供えるという説明を聞いたことがある方もいるでしょう。
お墓の周りにいる餓鬼にも水を施すという考え方や、「お墓参りに来ましたよ」という気持ちを表す習慣として水をかけるという話も伝えられています。
ただし、こうした意味はすべての宗派で共通しているわけではありません。
「亡くなった人が喉を渇かせているから必ず水をかけなければならない」と考える必要はなく、あくまで水をかける習慣について語られてきた理由の一つとして理解しておくとよいでしょう。
もう一つ忘れてはいけないのが、墓石をきれいにするための水です。
屋外に建っているお墓には、土ぼこり、花粉、鳥のふん、落ち葉、コケ、水垢などが少しずつ付着します。墓石を水で洗い、柔らかいスポンジや布で汚れを落とすことも、ご先祖様のお墓を大切に守る行為の一つですよ。
つまり「お墓に水をかける」という同じ行為でも、供養として水を供える場合と、掃除として水を使う場合があるわけです。
一方で、「お墓には水をかけない方がよい」と考える方もいます。
その理由としてよく聞かれるのが、墓石をご先祖様そのものに見立て、「人の頭から水をかけるようで失礼ではないか」という考え方です。
特に、ご家庭や地域で昔からそのように教えられてきた場合、水をかけないことを大切な作法として守っている方もいらっしゃいます。
こうした考え方も、故人を粗末に扱いたくないという気持ちから生まれているものです。水をかける側とかけない側のどちらかを否定する必要はありません。
また、石材店として考えておきたいのが墓石そのものへの影響です。
現在のお墓で多く使われている御影石は、屋外で長期間使用できる耐久性の高い石材ですが、天然石なのでまったく水を吸わないわけではありません。
水を使用しただけで簡単に墓石が壊れるものではありませんが、石の種類、吸水率、施工状態、目地の傷み、季節などによっては水分が汚れや劣化に関係する場合があります。
特に注意したいのが、水垢です。
墓石の表面に残った水が蒸発すると、水に含まれる成分などが白っぽい跡として残ることがあります。これが長期間積み重なると、普通に水拭きしただけでは落ちにくくなってしまうこともあります。
「水を使ったら必ず乾拭きしなければならない」という厳密な作法があるわけではありませんが、お墓をきれいに保つという意味では、掃除の最後に柔らかい布で水分を拭き取っておくと安心です。
ここは、今回いちばんお伝えしておきたいところです。
「お墓に水をかけない方がよい」と聞くと、「墓石を水洗いしてはいけないの?」と心配になる方がいます。
ですが、供養として墓石の上から水をかけることと、墓石についた土やほこりを落とすために水を使うことは、分けて考えて大丈夫です。
たとえば、ご家庭の考え方として墓石の上から水をかけない場合でも、掃除の際に水を含ませた柔らかい布やスポンジで墓石を拭くことはできます。
そして掃除が終わったら、水鉢へきれいな水を供え、花や線香を供えて静かに手を合わせる。こうしたお参りでも十分に丁寧です。
反対に、昔からご家族で墓石に水をかけてお参りしているのであれば、墓石の状態に気を配りながら、その習慣を大切にしてもよいでしょう。
「水をかける・かけない」という形だけでなく、どうすればお墓を大切にしながら気持ちよくお参りできるかを考えてみてください。

それでは、墓石に水を使う場合はどのようにすればよいのでしょうか。
まず、お墓に到着したら、いきなり墓石へ水をかけるのではなく、お墓の周りを見てみましょう。
落ち葉や枯れた花、雑草などを取り除き、墓石の表面に砂や小石が付いている場合は先に軽く落としておきます。
砂が残っている状態でスポンジや布を強く動かすと、研磨剤のような働きをして石の表面に細かな傷をつける可能性があるからです。
次に、きれいな水を使って墓石を濡らします。
掃除が目的であれば、墓石全体を適度に濡らして汚れを浮かせ、柔らかいスポンジやタオルで優しく洗っていきます。
「力を入れれば入れるほどきれいになる」というものではありません。特に磨かれた墓石は、硬いたわしや研磨力の強い道具を使うと表面の艶に影響することがあります。
汚れを落としたら、きれいな水ですすぎます。
最後に乾いた柔らかい布で表面の水分を拭き取れば、水跡や水垢を残しにくくできます。
墓石の掃除方法をもう少し詳しく知りたい方は、鈴木石材店の「墓石磨きの基本と道具!自分で落とせる汚れとプロに頼むべき境目」も参考にしてみてください。
供養として水をかける場合も、勢いよく何杯も浴びせる必要はありません。
柄杓を使うのであれば、墓石や周囲に水が飛び散らないよう、静かに扱えば十分です。
墓地には隣のお墓もあります。自分のお墓だけでなく、周囲へ水や泥が飛ばないようにすることも大切なお墓参りのマナーですよ。

「水をかけるなら墓石のどこにかければよいの?」という疑問もよくあります。
これについても、全国共通で「必ずここへかける」という決まりがあるわけではありません。
掃除であれば、墓石の汚れている部分を中心に水を使います。石碑だけでなく、外柵や墓誌、花立、香炉なども状態を確認しながらきれいにしていきます。
一方、供養の意味で水を使うことに抵抗がある場合は、無理に墓石へ水をかける必要はありません。
水鉢があるお墓なら、水鉢をきれいに洗ってから新しい水を供える方法があります。
水鉢は仏前へ水を供えるために設けられている部分ですので、「頭から水をかけるのは少し抵抗があるけれど、水はお供えしたい」という方にも取り入れやすいでしょう。
なお、水鉢へ水を入れる前には、古い水や落ち葉、虫などが残っていないか確認してください。
掃除に使って汚れた水をそのまま水鉢へ入れるのではなく、新しいきれいな水を供えてあげたいですね。
墓地や霊園によっては、水の使用場所や掃除方法について独自の決まりを設けている場合もあります。現地に掲示がある場合は、それを優先してください。
お墓への水かけについて調べていると、「浄土真宗ではかけない」「真言宗ではかける」といった説明を目にすることがあります。
ただ、宗派だけで全国すべてのお墓参りを同じように説明するのは少し無理があります。
同じ宗派でも地域や寺院によって慣習が違うことがありますし、ご家庭で代々続けてきたお参りの仕方もあります。
ここでは、宗派の考え方を参考にしながら、「迷ったら菩提寺に確認する」という前提で見ていきましょう。
浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀如来の本願によって浄土に生まれ、仏となるという教えがあります。
そのため、「亡くなった人の魂が墓の中にいて喉を渇かせているから、水をかけて癒やす」といった考え方とは異なります。
このことから、浄土真宗では供養のために墓石の上から水をかける必要はない、と説明されることがあります。
ただし、ここで間違えやすいのが、「浄土真宗では墓石に水を一切使ってはいけない」という意味ではないことです。
墓石についた泥や汚れを落としてきれいにするために水を使うことと、「故人の喉を潤す」という意味で水をかけることは別です。
お墓を掃除してきれいに整え、花や香を供え、手を合わせてお参りする。こうしたことを大切にしていただければよいでしょう。
ご自身のお墓について具体的な作法がわからない場合は、インターネット上の情報だけで決めず、普段お付き合いのあるお寺へ確認するのが安心です。
真言宗のお墓参りでは、水を供えたり、水を用いた供養を行ったりする地域や寺院があります。
そのため、「真言宗では墓石に水をかける」と紹介されることがあります。
ただし、「真言宗であれば必ず墓石の上から水をかける」「水をかけなければ正しい供養ではない」とまで考える必要はありません。
真言宗にも多くの寺院があり、地域の慣習や墓地の事情もさまざまです。
水を供える場合は、水鉢に新しい水を入れる方法もありますし、寺院やご家庭の習慣に従って墓石に水をかける場合もあるでしょう。
大切なのは、宗派の名前だけを頼りに形式を決めるのではなく、ご自身の菩提寺でどのようにお参りしているのかを確認することです。
お墓参りの作法で迷ったら、「今まで家族がどうしていたか」「お寺ではどう教えているか」の二つを確認すると判断しやすいですよ。
「実家のお墓だけれど宗派がよくわからない」「親がしていた通りにお参りしてきただけ」という方も珍しくありません。
その場合も、焦って宗派を調べて水をかけるかどうか決める必要はありません。
まずは墓石や周囲をきれいに掃除し、花や線香を供えて静かに手を合わせれば十分です。
菩提寺がわかる場合は、次にお参りした際などに住職へ尋ねてみるとよいでしょう。
墓地の管理事務所がある場合は、その墓地で一般的にどのようなお参りが行われているか聞いてみる方法もあります。
供養は「知らない作法を間違えずにこなすこと」が目的ではありません。故人を思い、ご家族でお墓を大切にしていく。その気持ちをまず大事にしてください。

お墓で水を使うときにあると便利なのが、手桶、柄杓、柔らかいスポンジ、タオルなどです。
霊園や寺院墓地によっては、手桶や柄杓を貸し出しているところもあります。
手桶は水場からお墓まで水を運ぶために使い、柄杓は水鉢へ水を入れたり、必要に応じて墓石へ水を流したりするときに使います。
ただ、「柄杓を使わなければ失礼」という全国共通の決まりがあるわけではありません。
水場が近くにない墓地では、バケツやペットボトルで水を運ばなければならない場合もあります。山間部のお墓では特にそうですね。
掃除に使うスポンジは、できるだけ柔らかいものを選びましょう。
金属たわしや研磨力の強いスポンジは、墓石表面の艶を傷める可能性があります。
細かな彫刻部分の汚れを落とす場合も、いきなり硬いブラシで強くこするのではなく、水で汚れを柔らかくしてから優しく落とすのが基本です。
コケが目地や文字の中へ入り込んでいる場合は、「墓石に付いたコケ(苔)の落とし方を徹底解説」もあわせてご覧ください。
できれば、掃除に使って汚れた水と、水鉢へ供える水は分けた方が気持ちよくお参りできます。
ただし、必ず二つの手桶を持っていかなければならないということではありません。
手桶が一つしかない場合は、墓石の掃除を終えたあとに手桶を軽くすすぎ、あらためてきれいな水を汲んで水鉢へ供えれば十分です。
大切なのは「掃除に使って泥や汚れが入った水を、そのままお供えしない」ということです。
道具の数よりも、気持ちよく使える清潔な状態を保つことを意識してみてください。
結論から言えば、ペットボトルで水を持参しても問題ありません。
特に山間部のお墓や、水道設備のない墓地では、ペットボトルやポリタンクで水を運ぶのは現実的な方法です。
「ペットボトルから直接墓石に水をかけたら絶対にマナー違反」というほど厳密に考えなくてもよいでしょう。
ただ、水鉢へ水を供える場合や、家族で昔から柄杓を使っている場合は、一度手桶などへ移してから静かに供えると所作も落ち着きます。
また、ペットボトルを使用した後は必ず持ち帰ってください。
お墓に空のペットボトルやごみを置いたままにすると、風で飛んで隣のお墓へ入ってしまうことがあります。
お墓参りでは、「持ってきた物はできるだけ持ち帰る」と覚えておくと迷いにくいですよ。

「墓石に水をかけると割れる」と聞いて、不安になっている方もいるかもしれません。
ですが、通常のお墓参りで水を使っただけで、状態のよい御影石の墓石が簡単に割れるというものではありません。
墓石はもともと屋外に建てられており、日常的に雨にもさらされています。
ただし、だからといって水の影響をまったく考えなくてよいわけでもありません。
注意したい状況はいくつかあります。
夏の強い日差しを受けた墓石、特に色の濃い石は表面温度がかなり高くなることがあります。
そこへ非常に冷たい水を大量にかけると、急激な温度差が生まれます。
これだけで必ず割れるわけではありませんが、石材に余計な負担を与えないという意味では、炎天下で熱くなった墓石へ冷たい水を勢いよく浴びせることは避けた方が安心です。
少しずつ水を使う、日差しが弱い時間帯に掃除するなど工夫するとよいでしょう。
寒冷地では、水が隙間へ入り込んだ状態で凍結すると、膨張によって目地や石材周辺へ力が加わることがあります。
特に、すでに目地が切れている、ひびがある、石と石の接合部分に隙間があるお墓では注意が必要です。
伊豆のような地域でも、山間部や標高の高い墓地では冬の冷え込みが強くなる場所があります。
目地の剥がれや隙間を見つけたら、「まだ倒れていないから大丈夫」と放置せず、一度石材店へ相談しておくと安心です。
水そのものより、長年の水分と汚れの蓄積によって墓石の見た目が変化することがあります。
白っぽい水垢、黒ずみ、緑色のコケなどが目立つようになると、ご家庭での水拭きだけでは落としにくくなってきます。
だからといって、家庭にある強い洗剤をいきなり使うのはおすすめできません。
石の種類や汚れの原因によって、使える洗剤や避けた方がよい成分が変わることがあるからです。
洗剤について詳しく知りたい場合は「墓掃除の洗剤はどれが正解?石を守る正しい選び方と使い方」も参考にしてください。
お墓参りでは水のかけ方だけでなく、お墓を長くきれいに保つために避けたい行為があります。
知らずにやってしまうこともありますので、ここで確認しておきましょう。
「お父さんはお酒が好きだったから」と、墓石へ日本酒やビールをかけてあげたくなる気持ちはよくわかります。
ただ、石材店としては、飲み物を墓石へ直接かけることはおすすめしていません。
お酒やジュースには糖分やさまざまな成分が含まれており、ベタつきやシミ、変色、汚れの原因になる可能性があります。
缶や瓶の金属部分からサビが移ることもあります。
故人が好きだった飲み物を供えたい場合は、墓石へかけるのではなく、器などへ入れてお供えし、お参りが終わったら持ち帰る方法が安心です。
お菓子、果物、飲み物などをお供えすること自体は珍しくありません。
ただし、お参りが終わったら持ち帰るのが基本です。
そのままにすると、カラスや小動物に荒らされたり、腐って臭いが出たりすることがあります。
墓地全体をきれいに保つためにも、供えた物は最後に忘れず持ち帰りましょう。
頑固な汚れを見ると、つい力を入れてゴシゴシこすりたくなります。
ですが、墓石の表面を傷めたり、艶を損ねたりする可能性があります。
まずは水と柔らかいスポンジ、タオルなどから始めてください。
それで落ちないからといって、次々と強い道具や薬剤を試すのではなく、「これは家庭で落とせる汚れなのか」を考えることも大切です。
台所用、浴室用、トイレ用など、ご家庭にはさまざまな洗剤があります。
しかし、それらは墓石への使用を前提として作られているわけではありません。
成分によっては石材や金属部分へ影響することがありますので、「家にあるから」という理由だけで使うのは避けた方が安心です。
高圧洗浄機は便利ですが、使い方には注意が必要です。
墓石本体だけでなく、目地や文字部分、接合部分へ強い水圧を近距離から当てると、傷んでいる部分をさらに悪化させる可能性があります。
特に古いお墓では、見た目だけでは目地や接着部分の状態がわからないこともあります。
頑固な汚れを落とすために専門的な洗浄が必要な場合は、石の状態を確認できる石材店へ相談する方法も考えてみてください。
墓地は平らな場所ばかりではありません。
階段、斜面、砂利、濡れた石などがあり、雨上がりは特に滑りやすくなります。
お盆やお彼岸だからといって、無理をして隅々まで一人で掃除する必要はありません。
高齢の方、足腰に不安がある方、妊娠中の方などは、滑りにくい靴を選び、決して無理をしないでください。
お墓をきれいにすることも大切ですが、あなた自身がけがをしないことの方が大切ですよ。
お墓参りのたびに掃除していても、長い年月が経つと、ご家庭の掃除だけでは落としにくい汚れが出てきます。
代表的なのが、長年蓄積した水垢、黒ずみ、コケ、文字の中の汚れ、石と石の継ぎ目周辺の汚れなどです。
ここで注意したいのが、「もっと強くこすれば落ちるだろう」「強い洗剤を使えばきれいになるだろう」と無理をしてしまうことです。
墓石は硬い石ですが、表面の仕上げや彫刻部分まで何をしても大丈夫というわけではありません。
私たち鈴木石材店では、お墓の状態を見ながら掃除やクリーニング、必要に応じたメンテナンスのご相談をお受けしています。
私たちが大切にしているのは、単に石を販売したり工事をしたりすることではなく、ご家族にとって大切なお墓をできるだけ長く安心して守っていくことです。
「この汚れは自分で落として大丈夫?」「目地が少し割れているけれど、そのままでいい?」「水垢なのか石そのものの変色なのかわからない」という段階でも構いません。
無理に作業してからご相談いただくより、気になった段階で確認する方が墓石への負担を少なくできる場合があります。
鈴木石材店のクリーニングについては「お墓のクリーニング」、定期的なお墓のお手入れが難しい方は「お墓のお掃除」もご覧ください。
お墓参りの際、次のような状態に気づいたら、掃除だけで済ませず石材店へ相談することも検討してください。
墓石や外柵にひびが見える
石と石の間の目地が切れたり剥がれたりしている
墓石や墓誌が以前より傾いているように見える
石と石の間に隙間ができている
白い水垢が何度掃除しても落ちない
コケや黒ずみが広範囲に広がっている
金属部分にサビが出ている
花立や香炉がガタつく
お墓の周囲に水がたまりやすくなっている
自分でどの洗剤や道具を使えばよいかわからない
特に「完成すると見えなくなる部分」や、石の接合部、基礎、目地などは、お墓の耐久性に関わります。
見た目の汚れだけではなく、お墓そのものの状態を定期的に確認することも、大切なお墓を守ることにつながります。
ここまで読んでも、「では、うちのお墓では結局どうすればいいの?」と思うかもしれません。
そんなときは、難しく考えすぎず、次のように判断してみてください。
昔からご家族で墓石に水をかけてお参りしてきたのであれば、墓石の状態や季節に気をつけながら、その習慣を続けてもよいでしょう。
逆に、「頭から水をかけるようで気になる」「菩提寺では水をかけていない」という場合は、墓石の掃除にだけ水を使い、水鉢へ新しい水を供える方法があります。
宗派の作法が気になる場合は、インターネットの記事だけで決めるのではなく菩提寺へ確認してください。
墓石への影響が気になる場合は、石材店へ相談してください。
そして何より、故人やご先祖様を思って墓前に立ち、きれいに整えて手を合わせる。その気持ちを大事にしてください。
水を何杯かけたか、どの位置からかけたかだけで、供養の良し悪しが決まるものではないと私は考えています。
お墓に水をかけることには、水を供える、墓石を清めるなど複数の意味がある
仏教では水を清らかな供物として扱う考え方がある
故人の喉を潤す、来訪を知らせる、餓鬼への施しなどの意味が語られることもある
ただし、こうした意味がすべての宗派で共通しているわけではない
お墓へ水をかけるかどうかについて全国共通の一律な決まりがあるわけではない
墓石を故人に見立て、頭から水をかけるようで失礼と考える家庭もある
水をかける家庭も、かけない家庭も、故人を大切にする気持ちから生まれた習慣と考えられる
掃除のための水洗いと、供養として墓石へ水をかけることは分けて考えるとわかりやすい
水をかけない場合でも、水鉢に新しい水を供えることができる
水鉢へは掃除で汚れた水ではなく、きれいな水を供える
墓石を掃除するときは砂や小石を先に取り除き、柔らかいスポンジや布で優しく洗う
金属たわしや研磨力の強い道具は墓石を傷める可能性があるため注意する
家庭用洗剤を墓石へ安易に使用しない
掃除の最後に水分を拭き取ると、水跡や水垢を残しにくくなる
真夏に熱くなった墓石へ非常に冷たい水を大量にかけることは避けた方が安心
寒冷地では目地や隙間へ入った水の凍結にも注意する
通常のお墓参りで水を使っただけで墓石が簡単に割れると過度に心配する必要はない
ペットボトルで水を持参しても問題なく、水場のない墓地では便利な方法
ペットボトルなど持参した物はお参り後に持ち帰る
浄土真宗では、故人の喉を潤すために墓石へ水をかける必要はないという考え方がある
真言宗でも寺院や地域、ご家庭によって水の扱いが違うため、宗派名だけで決めつけない
宗派ごとの詳しい作法がわからない場合は菩提寺へ確認するのが安心
お酒やジュースを墓石へ直接かけることは、シミや汚れの原因になる可能性があるため避ける
食べ物や飲み物のお供えは、お参りが終わったら持ち帰る
落ちない水垢やコケを無理にこすらず、必要に応じて石材店へ相談する
ひび、目地の剥がれ、傾き、隙間などを見つけた場合は早めに状態を確認する
お墓参りでいちばん大切なのは、形式だけではなく故人やご先祖様を思い、お墓を大切に守っていく気持ち
お墓の水垢や汚れ、傷みが気になったらご相談ください
お墓は屋外にあり、何十年という長い年月、ご家族の大切な場所であり続けます。
そのため、どれだけ丁寧にお参りしていても、水垢やコケがついたり、目地が傷んだり、少しずつメンテナンスが必要になったりすることがあります。
私たち鈴木石材店は、伊豆でお墓を建てることだけを仕事にしているわけではありません。
お墓の掃除やクリーニング、リフォーム、お墓の移転、墓じまいなど、お墓を建てた後、そしてご家族を取り巻く環境が変わった後も含めて、「伊豆の墓守」としてお墓を守るお手伝いをしています。
「この水垢、自分で落として大丈夫かな」「墓石に水をかけても問題ない状態かな」「ひびのようなものがあるけれど修理が必要かな」といった小さな疑問でも構いません。
無理に工事をおすすめするのではなく、まず今のお墓がどのような状態なのかを知ることから始めていただければと思います。
大切なお墓だからこそ、わからないまま無理に手を加えず、迷ったときにはお墓の専門家へ聞いてみてくださいね。
お墓の新規建立、リフォーム、クリーニング、お墓じまいなどについて気になることがありましたら、鈴木石材店の「お問い合わせページ」からお気軽にご相談ください。
伊豆の国市で墓じまい|費用・手続き・改葬の流れ