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墓じまい後に散骨を選ぶときの流れと注意点まとめ

2025年9月15日

墓じまい後に散骨を選ぶときの流れと注意点まとめ

「お墓じまいをした後、散骨にしたいけれど、具体的にどう進めればいいのかな?」
そんな風に悩んでいませんか?

こんにちは。伊豆の墓守として日々お墓のお悩みに寄り添っている、鈴木石材店の鈴木です。

これまでたくさんのお墓の悩みを聞いてきましたが、最近は「子どもに負担をかけたくない」「遠くてお参りに行けない」といった理由から、お墓じまいをして自然に還る「散骨」を検討される方がすごく増えているんですよ。

でも、いざ進めようとすると、「役所の許可はいるの?」といった手続きの疑問や、「お骨って撒いたら何年で自然に消えるの?」という素朴な不安。

さらには「散骨はよくないって言われたけれど本当?」「費用は結局いくらかかるの?」といった現実的な問題まで、たくさんの壁にぶつかるかなと思います。

この記事では、散骨の種類や粉骨の必要性といった基礎知識から、メリット・デメリット、親族や業者との間で起こりやすいトラブルとその回避法まで、石材店のプロ目線でわかりやすく解説します。

最後まで読んでいただければ、「結局、自分たちはどうすればいいのか」という迷いがスッキリ解消されるはずですよ。

この記事のポイント

  • お墓じまいから散骨(自然葬)を実施するまでの全体像がスッキリわかる
  • 迷いがちな必要書類や、許可についての正しい考え方が把握できる
  • 実際の費用目安や、失敗しない業者選びのコツがわかる
  • 散骨以外の選択肢(手元供養や永代供養)も合わせて比較検討できる

墓じまいから散骨を行うための基礎知識

まずは、手続きを進める前に知っておきたい基本中の基本を整理していきましょう。

  • 供養を実施するにはどうすればいい?
  • 実施にあたり許可は必要か?
  • 遺骨は何年で溶けるのか?
  • よくないことだといわれる理由は?
  • 葬送の方法にはどんな種類がある?
  • 粉骨は本当に必要なのか?

供養を実施するにはどうすればいい?

供養を実施するにはどうすればいい?

まずは、ご家族で方針を決めてから散骨を実施する当日まで、抜け漏れなく進めるための全体像を把握しておきましょう。

全体の流れを時系列でイメージし、「親族の合意」「書類の準備」「業者の選定」を一つずつクリアしていくことが、トラブルを防ぐ一番の近道ですよ。

推奨タイムライン(目安)

フェーズ 主要タスク 目安期間 成功の勘所
1. 合意形成 家族・親族へ事情説明、希望の確認、分骨の有無を決定 1〜3週間 連絡が及ぶ親族の範囲を明確化し、話し合いの内容を記録に残す
2. 管理者へ相談 墓地管理者(寺院・霊園)へ墓じまい意向を伝達、手続き確認 1〜2週間 寺院墓地はこれまでの感謝を伝え、離檀の扱いを事前に相談する
3. 見積・発注 石材店(解体撤去)・実施業者(海上など)の見積、発注 2〜3週間 見積の内訳(養生・残土処分・粉骨を含むか等)を厳密に確認
4. 書類準備 証明書の収集、名義・枚数の確定、分骨証明の要否確認 1〜2週間 代替書類で進められるか、役所や業者と個別に調整を行う
5. 式次第確定 当日の流れ(献花、黙礼)、服装、記録方法を決定 1週間 花や副葬品が環境に配慮された材質か(プラ等を含まないか)を確認
6. 当日実施 閉眼供養→解体→取り出し→乾燥・粉骨→海上等での散布 1日〜 天候リスクに備え、予備日(代替日)を事前に確保しておく

まず一番大切なのは、家族や親族と「お墓じまいをして散骨にする」という方針を共有し、しっかりと合意をとることです。

先祖代々のお墓の場合、関わる親族が多くなりがちですよね。

あとから「そんな話聞いていない」「全部撒いてしまうなんて寂しい」と言われないように、一部だけ手元に残す(手元供養)方法なども含めて話し合い、決まったことを共有しておくと安心です。

親族の同意が得られたら、次は現在のお墓の管理者(お寺や霊園)へ意向を伝えます。

特にお寺の墓地の場合は、檀家としての関係を終える(離檀)ことになります。

「今までお世話になりました」という感謝の気持ちを添えて、あくまで相談ベースで進めるのが円満の秘訣です。

このとき、閉眼供養(魂抜き)の段取りや、墓所をどこまで更地に戻す必要があるか(基礎コンクリートまですべて撤去するか等)も確認しておきましょう。

そして、実際の解体工事は私たちのような石材店に依頼します。

一般的な流れとしては、工事前にお坊さんに読経していただき閉眼供養を行い、その後にお骨を取り出して墓石を解体・撤去します。

長年お墓の中にあったお骨は湿気を含んでいることが多いので、しっかりと乾燥処理をしてから散骨日まで保管する必要があります。

私たち鈴木石材店がある伊豆エリアなどもそうですが、お墓が山の斜面にあったり、重機が入れない狭い場所にあったりすると、工事費用が変動します。

必ず現地調査をした上で、正確な見積もりを出してくれる石材店を選ぶようにしてくださいね。

最後に行う散骨は、専門の業者に依頼するのが一般的です。

ご家族だけで船を貸し切るのか、他のご家族と合同で行うのか、あるいは業者にお任せする(委託)のかを選び、当日のセレモニー内容などを打ち合わせます。

ここで注意したいのは、「お骨をパウダー状にする(粉骨)作業」や「洗骨・乾燥」がプランに含まれているか、別料金になるかです。

契約前にしっかり内訳を確認しておいてくださいね。

実施にあたり許可は必要か?

実施にあたり許可は必要か?

「お骨を自然に撒くのに、役所の許可っているの?」
これは非常によく聞かれる質問です。

用語の整理から始めるとスッキリ理解できるかなと思います。

まず、今あるお墓から「別のお墓や納骨堂へお骨を引っ越しする」行為は「改葬(かいそう)」と呼ばれ、役所が発行する【改葬許可証】が絶対に必要です。

一方で、お骨をパウダー状にして海や山へ節度をもって撒く行為は、法律上「改葬」とはみなされないため、原則として改葬許可は【不要】とされています。

「それなら勝手に撒いていいの?」と思うかもしれませんが、そういうわけではありません。

散骨は各自治体の条例や業界のガイドラインで厳しくルール決めがされており、場所や方法に配慮することが強く求められています。

少しややこしいのが実務での対応です。

お墓の管理者(お寺など)が「改葬許可証がないとお骨は渡せません」と言ってきたり、散骨業者が身元確認のために「改葬許可証を出してください」と求めてくるケースがあります。

しかし、役所に行っても「散骨なら許可証は出せませんよ」と断られることも少なくありません。

こういう板挟みになったときは、代替の書類として「埋葬証明書」や「納骨証明書」「火葬許可証の写し」などで対応してもらえないか、お寺や業者に個別で相談してみてください。

これでスムーズに進むことがほとんどですよ。

場所と方法に関する実務基準の考え方

海に撒くにしても山に撒くにしても、「人が生活している場所」や「仕事をしている場所」の邪魔にならないことが絶対条件です。

海なら港、漁場、海水浴場などを避け、パウダー状(目安は2mm以下)に粉骨し、お花も海に還る自然素材のものに限定するのがルールです。

陸地(山林など)の場合は、土地の所有者やご近所の許可が必須です。

また、撒いたあとに「土や落ち葉をかぶせる」と法律上「埋蔵(=勝手にお墓を作った)」とみなされてしまう可能性があるので、絶対に避けてくださいね。

書類対応で迷いやすいポイント

  • すべて散骨する場合:原則として改葬許可証は不要です。業者の本人確認用として、埋葬証明書や火葬許可証のコピーを用意しましょう。
  • 一部を分骨して別のお墓に入れる場合:別のお墓に入れる分については、改葬許可証が必要です。(受け入れ先の証明書なども必要になるので確認してください)
  • 墓地管理者から書類を求められた場合:自治体によって対応がバラバラなので、代替の証明書で進められないか事前に相談しましょう。

リスクマネジメントの要点

  • 風が強い日や波が高い日の「中止基準」と「予備日」の扱いを、契約前にしっかり書面で確認する。
  • 船酔いが心配な家族もいるはずなので、港からの移動時間や船の揺れ具合を事前に共有しておく。
  • 写真や動画、散骨した座標などの「記録」をどうやって残してくれるか確認する。
  • 一緒に海へ流したい思い出の品(リボンや手紙など)がある場合、環境配慮の観点から流してOKか業者にすり合わせる。

遺骨は何年で溶けるのか?

「お骨を自然に撒いたら、どのくらいで溶けてなくなるの?」
これも多くの方が不安に感じるポイントです。

火葬のあとに残るお骨の主成分は、「ハイドロキシアパタイト」というリン酸カルシウムの一種です。

少し難しい言葉ですが、要するに歯や骨の無機質と同じで、実は「陶器」や「石」に近い性質を持っているんですよ。

そのため、お水や酸に強くて、お湯に溶ける砂糖のように短期間でサッと「溶ける」わけではないんです。

ですから、「何年で完全に消える」と考えるよりも、細かくパウダー状にしたお骨を撒くことで、長い時間をかけて環境の中に分散し、風化しながら「徐々に自然と同化していく」とイメージしていただくのが一番正確かなと思います。

同化にかかる時間は、撒かれた環境によって大きく変わります。

海であれば、海水の成分(弱アルカリ性)や水温、波の強さが影響します。水温が高くて波の動きが激しい場所なら、粒子の拡散は早く進みます。

山や土の中であれば、土の酸性度や雨の量、微生物の活動で風化のスピードが変わります。酸性が強い土なら比較的早いですが、そうでない環境なら数百年以上形が残ることもあると言われています。

ここで大切なのは、「いつ完全にゼロになるか」を気にするのではなく、2ミリ以下という目に見えないパウダー状にすることで、自然の循環にゆだねるという考え方です。

「自然環境を汚染しないの?」と心配される優しい方もいらっしゃいますが、お骨は有害物質を含まない無機質です。

適切に粉骨されていれば、自然環境に悪影響を与える可能性は極めて低いと学術的にも言われているので、安心してくださいね。

よくないことだといわれる理由は?

「散骨にしようと思う」と親族に話したとき、「そんな罰当たりなこと、よくないよ!」と反対されてしまうケースは少なくありません。

どうして否定的な意見が出てくるのでしょうか?そこには、文化や心理的な背景が絡んでいます。

一番の理由は、「手を合わせる対象(心のよりどころ)がなくなってしまう」という寂しさです。

私たち日本人は、お墓という「具体的な場所」に行って手を合わせることで、亡くなった方と対話し、自分自身の心も慰めてきました。

すべてのお骨を自然に還してしまうと、「お盆やお彼岸に、どこに向かって手を合わせればいいの?」と戸惑ってしまう方が多いのです。

また、世代間の価値観の違いも大きいです。

ご高齢の方や地域によっては「お墓は代々守っていくもの」という伝統的な考えが根強く、「海に撒くなんて冷たい、供養にならない」と感じてしまうのも無理はありません。

法律の面でも「散骨って違法なんじゃないの?」と誤解されていることがありますが、法務省の見解でも「節度をもって行う限り違法ではない」とされているので、犯罪になるわけではありません。

ですから、「散骨=悪」ということでは決してありません。

大切なのは、反対しているご親族の「寂しい」「不安だ」という気持ちに寄り添うことです。

もし意見が割れてしまったら、すべてを撒くのではなく、「一部のお骨を小さな骨壺やアクセサリーに入れて自宅で保管する(手元供養)」という方法や、一部だけを納骨堂に納める方法を提案してみてください。

「心のよりどころはちゃんと残るから安心して」と伝えることで、すんなりと理解してもらえることがとても多いですよ。

葬送の方法にはどんな種類がある?

葬送の方法にはどんな種類がある?

自然に還る新しい葬送のスタイルには、実はいくつかの種類があります。

ご家族の希望や予算に合わせて、どんな方法が一番しっくりくるか検討してみてくださいね。

海洋型(海洋散骨)

一番ポピュラーで選ばれることが多いのが海に撒く方法です。

伊豆エリアでも、海が近いことからご希望される方が多いんですよ。

船の乗り方によって3つのプランに分かれます。

  • 個別形式(約20〜30万円):ご家族だけで船を貸し切るプラン。周りを気にせずゆっくりお別れができます。
  • 合同形式(約10〜20万円):複数のご家族と一緒に大きめの船に乗るプラン。費用を抑えつつ立ち会えます。
  • 委託形式(約5〜10万円):ご家族は船に乗らず、業者にすべて代行してもらうプラン。船酔いが心配な方や遠方の方に選ばれます。

森林型(山林散骨)

里山や森などの自然環境に撒く方法です(費用目安:約5万〜30万円程度)。

お墓のように土に埋める「樹木葬」とは違い、あくまで地表にパウダー状のお骨を撒きます。

海に比べてお参りに行きやすい場所があるのがメリットですが、土地の所有者や周辺住民への配慮が不可欠なので、どこにでも撒けるわけではありません。

業者が管理している専用の山林で行うのが一般的です。

空中・バルーン型

ヘリコプターやセスナ機から空中に撒いたり、特殊な巨大風船にお骨を入れて空へ飛ばす(成層圏で破裂して拡散する)方法です(費用目安:約30万〜50万円程度)。

「空が好きだった」という故人様の思いを叶えるロマンチックな方法ですが、天候に左右されやすく、対応できる業者が限られています。

宇宙型

お骨の一部を専用のカプセルに入れ、ロケットで宇宙空間へ打ち上げるという壮大な方法です。

費用は数万円(ごく一部のみ)から数百万円と幅広く、打ち上げのスケジュールもロケット次第なので、数年単位で待つ覚悟が必要になります。

どの方法を選ぶにしても、「粉骨を徹底する」「自然環境に配慮する」という最低限のルールは同じです。

実績があり、ガイドラインをしっかり守っている業者を選んでくださいね。

粉骨は本当に必要なのか?

「わざわざお骨を粉々に砕かなくちゃいけないの?かわいそう…」
そう感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、散骨において「粉骨(ふんこつ)」は絶対に避けられない必須の工程です。

業界のガイドラインでも、目安として「粒の大きさが2ミリ以下になるまで細かくすること」がルールとして定められています。

なぜかというと、お骨の形のまま撒いてしまうと、たまたま通りかかった人が見つけた時に事件だと思って警察に通報してしまったり、精神的なショックを与えてしまったりするからです。

また、法律的にもお骨の形のまま捨てると「死体遺棄」などのトラブルに巻き込まれるリスクがありますが、パウダー状にすることで「自然に還すための供養である」と認められやすくなります。

粉骨作業は、ただハンマーで砕けばいいというものではありません。

お墓の中にあったお骨は泥や汚れがついていたり、湿気で濡れていたりするので、まずは綺麗に洗う「洗骨(せんこつ)」をして、専用の機械でしっかり「乾燥」させてから、サラサラのパウダー状に仕上げます。

これを個人でやるのは、精神的にも技術的にも本当にしんどいです。

衛生面やご遺骨の取り違えを防ぐ意味でも、必ず専用の設備を持ったプロの業者にお願いするようにしてください。

墓じまいと散骨にかかる費用や注意点

ここからは、一番気になる「お金」のことや、知っておくべきメリット・デメリットについて深掘りしていきます。

  • 必要となる費用はどのくらい?
  • 選ばれる供養方法のメリット
  • 選択した場合に考えられるデメリット
  • 実施する際に想定される問題点
  • 行う前に確認しておきたい注意点
  • そのほかに選べる供養の方法
  • 墓じまいと散骨を検討する際のまとめ

必要となる費用はどのくらい?

必要となる費用はどのくらい?

お金の計算をするときは、「今あるお墓を片付ける費用(墓じまい)」と「散骨を実施する費用」の2つに分けて考えるとスッキリしますよ。

実は、散骨そのものの費用よりも、「お墓の撤去費用」の方が高額になるケースが多いんです。

以下の表を参考に、トータルでいくらくらいになりそうかイメージしてみてください。

区分 項目 目安費用
墓じまい 墓石解体・撤去・更地化 30万〜50万円(1㎡あたり約7万〜15万円目安)
閉眼供養のお布施 1万〜5万円
離檀料(寺院墓地の場合) 5万〜20万円程度(お寺により差があります)
書類手続き代行(任意) 5万〜15万円
実施方法 粉骨(洗骨・乾燥含むことあり) 1万〜3万円
海洋・個別(貸切) 20万〜30万円前後
海洋・合同(乗合) 10万〜20万円前後
海洋・委託(同乗なし) 5万〜10万円前後
参考 森林型(事業者管理地) おおむね5万〜30万円程度
参考 空中・バルーン型 30万〜50万円程度
参考 宇宙型 20万〜100万円程度(方式で差)

墓じまい関連費用の特徴(なぜ金額に幅があるのか?)

私たち石材店が解体工事をする際、実はお墓の「立地条件」によって費用が大きく変わります。

たとえば、クレーン車がすぐ横につけられる平地のお墓ならスムーズですが、階段を何段も登る山の斜面(伊豆エリアには非常に多いです)や、通路が狭くて職人が手作業で石を運び出さなければいけない現場だと、人件費と日数がかかるため割高(難所割増)になります。
また、お寺にお渡しする「離檀料」も、法的な決まりがあるわけではなく、あくまで

これまでのお礼(お布施)です。事前にご住職と円満に話し合っておくことが大切ですよ。

お墓じまいにかかる費用の相場や安く抑えるコツについて、さらに詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてくださいね。

実施方法関連費用の特徴

散骨の費用については、「基本料金に何が含まれているか」を必ずチェックしてください。

一見すると「3万円で散骨します!」という激安プランに見えても、実はお骨を乾燥・粉骨する費用が含まれていなかったり、献花や証明書の発行が別料金だったりして、最終的に割高になってしまうケースがあります。

複数の業者から見積もりを取り、総額で比較するのが賢いやり方かなと思います。

また、墓じまいの解体工事と、その後の手続きや粉骨などを「ワンストップ」で対応してくれる石材店に依頼すると、窓口が一つになって手間が省けるだけでなく、トータルの費用が抑えられることも多いですよ。

選ばれる供養方法のメリット

選ばれる供養方法のメリット

ここまで読んでいただいて、「なんだか大変そうだな…」と感じたかもしれません。

それでも散骨や自然葬が選ばれている最大の理由は、「ご家族や次の世代への負担が圧倒的に減るから」です。

従来のお墓を維持し続けるとなると、毎年の管理費がかかり、お盆やお彼岸のたびに草むしりや掃除に行かなければなりません。

お墓が遠方にあれば、交通費や体力的な負担も大きくなりますよね。

自然に還してしまえば、こうした継続的な費用や労力は一切かからなくなります。

「子どもたちに墓守の苦労をかけたくない」という思いを叶えるには、非常に理にかなった選択肢です。

また、海や山など開放的な自然の中で送り出すセレモニーは、暗くて寂しいお葬式のイメージとは少し違い、船の上でお花を撒きながら明るく故人を偲ぶような、温かい時間を共有できるという魅力もあります。

選択した場合に考えられるデメリット

一方で、プロとして必ずお伝えしておかなければならないデメリットもあります。

それは、「一度すべて撒いてしまうと、二度と元には戻せない」ということです。

「自然に還してサッパリした!」と最初は思っていても、一周忌や三回忌など節目の時期が来たときに、「やっぱり、お花や線香をお供えして語りかける場所(お墓)が欲しかった…」と深く後悔される方が実は少なからずいらっしゃいます。

心の拠り所を完全に無くしてしまうことは、想像以上に心細いものなんですよ。

また、天候に大きく左右される点もデメリットです。

海洋散骨の場合、風や波が強いと船が出せません。「この日に親戚で集まって散骨する」と決めていても、当日の朝に延期が決まってしまうリスクがあることは覚悟しておきましょう。

実施する際に想定される問題点

いざ進めようとしたときに一番トラブルになりやすいのは、やはり「親族間の意見の食い違い」と「役所・お寺との書類のやり取り」です。

繰り返しになりますが、散骨には法的な改葬許可証が出ないことが多いのに、業者やお寺からは求められる…という「手続きのグレーゾーン」が存在します。

これに個人で立ち向かうと、たらい回しにされて精神的に疲弊してしまうことがあります。できれば、行政手続きの代行までサポートしてくれる専門業者や石材店を頼ることをおすすめします。

親族間の話し合いやお寺への相談で悩んだら、こちらの「悩み別のおすすめ相談先」の記事が役立つはずです。

また、悪質な業者によるトラブルにも気をつけてください。

「格安」を謳う業者の中には、粉骨が不十分で大きなお骨のまま撒いてしまったり、散骨したフリをして不法投棄したりする悪質なケースもゼロではありません。

業者のウェブサイトを見て、散骨海域を明確にしているか、散骨証明書(緯度・経度入りの写真など)をきちんと発行してくれるか、安全対策はどうなっているかを必ずチェックしてくださいね。

行う前に確認しておきたい注意点

行う前に確認しておきたい注意点

当日のセレモニーを心穏やかに迎えるために、いくつか確認しておいてほしい注意点があります。

1. 手元供養の検討(分骨するかどうか)
デメリットでお伝えした後悔を防ぐためにも、お骨のすべてを撒くのではなく、ごく一部だけを小さな骨壺やペンダントに入れて手元に残す「手元供養」をぜひ検討してみてください。これがあるだけで、残されたご家族の安心感は全く違います。

2. 当日の服装
海洋散骨の場合、喪服は避けるのがマナーです。港やマリーナを利用する一般の方への配慮として、周囲からお葬式だとわからない「平服(落ち着いた色の普段着)」で行くのが一般的です。また、船の上は滑りやすく風も強いので、スニーカーなど歩きやすい靴と、防寒対策を忘れないでくださいね。

3. 副葬品(一緒に撒くもの)の確認
故人が好きだったタバコやお酒、お花を海に撒きたいというご要望は多いですが、自然環境を守るため、ビニールやプラスチック(お花を包むセロハンなど)は絶対に海に落としてはいけません。事前に業者に「これを撒いてもいいですか?」と確認しておきましょう。

そのほかに選べる供養の方法

そのほかに選べる供養の方法

ここまで散骨についてお話ししてきましたが、「やっぱり自然に全部撒くのは不安かも…」と思った方へ、お墓じまいのあとに選べる別の選択肢もご紹介しておきますね。

  • 永代供養墓(えいたいくようぼ):お寺や霊園が、あなたに代わって永遠に供養と管理をしてくれるお墓です。他の方のお骨と一緒に納まる「合祀(ごうし)」タイプなら費用もかなり安く抑えられますし、お参りに行く場所も確保できます。
  • 納骨堂(のうこつどう):屋内のロッカーや自動搬送式のスペースにお骨を納めるスタイルです。駅から近いことが多く、天候を気にせず手ぶらでお参りできるのが魅力です。
  • 樹木葬(じゅもくそう):墓石の代わりに、シンボルツリーや草花の下にお骨を埋葬(土に還す)する方法です。「自然に還りたい」という願いと「手を合わせる場所が欲しい」という願いを両立できるため、今一番人気があります。

散骨が唯一の答えではありません。

ご家族の状況や予算、そして何より「亡くなった方とどう向き合っていきたいか」を話し合って、一番しっくりくる方法を選んでくださいね。

墓じまいと散骨を検討する際のまとめ

最後に、この記事でお伝えした重要なポイントをおさらいしておきます。

  • 墓じまい後の自然葬は、何よりも親族間の合意と事前の手順設計が重要
  • 散骨は「改葬」とは違うため、原則として改葬許可証は不要
  • 業者やお寺が書類確認を求めてきたら、埋葬証明書などの代替資料で協議する
  • 粉骨(2mm以下)は、周囲の目や環境へ配慮するための必須ルール
  • 海や森で行う場合は、一般の生活圏や自然環境への配慮が絶対条件
  • 個別・合同・委託のどのプランを選ぶかで、費用と体験が大きく変わる
  • 墓じまいの費用は、お墓の立地(難所かどうか)と離檀料・閉眼供養が鍵になる
  • 後から追加費用を請求されないよう、必ず見積書の内訳(粉骨や乾燥代が含まれているか)を確認する
  • 心の拠り所をなくさないよう、手元供養や納骨堂の一部利用も併せて検討する
  • 天候や海が荒れた場合の延期リスクを想定してスケジュールを組む
  • 山林に撒く場合は、必ず土地の所有者や周辺住民への説明と同意をとる
  • 安さだけで選ばず、安全管理や環境配慮がしっかりしている業者を選ぶ
  • 陸地に撒いた後、土や葉をかぶせると「お墓を作った(埋蔵)」とみなされ法律違反になるので注意
  • 散骨した緯度・経度入りの証明書など、家族の思い出として記録をどう残すか確認しておく
  • 散骨だけでなく、永代供養や樹木葬など他の選択肢も並行して比較してみる

お墓じまいから供養まで、迷ったらぜひご相談ください

いかがでしたでしょうか。

お墓じまいから散骨までの道のりは、親族との話し合いからお寺との交渉、石材店や業者選びなど、本当にやることが多くて大変ですよね。

私たち鈴木石材店では、「ただお墓を解体するだけ」の業者ではありません。
深い悲しみや不安の中にあるご家族に「安心」をお届けしたいという想いから、お墓じまいの役所手続きサポート、解体・更地化、丁寧なお骨の取り出しまでをセットにした『お墓じまい・改葬トータルサポートプラン(198,000円〜/税別)』をご用意しています。

「遠方に住んでいて立ち会えない」「工事がちゃんと行われるか不安」という方でも安心してください。1現場につき30〜60枚ほどの写真を撮影し、一冊の「工事工程報告書」として包み隠さずお渡ししています。

伊豆エリアで生まれ育った「伊豆の墓守」として、見えない部分まで決して手を抜かず、心を込めて対応させていただきます。

お墓のことで少しでも不安や疑問があれば、どんな些細なことでもかまいません。

ぜひお気軽に鈴木石材店までご相談くださいね。あなたとご家族の想いをカタチにするお手伝いをさせていただければ嬉しいです。


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