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こんにちは。鈴木石材店ホームページ・コラムの運営者の鈴木です。
夏が近づいてくると、そろそろお盆の準備をしなきゃと少し焦る気持ちが出てきませんか。
いざお盆にやることについて調べ始めてみると、初盆や新盆の特別なルールがあったり、マンションなどの現代の住環境ではどうすればいいのか迷ってしまったりと、分からないことがたくさん出てくると思います。
浄土真宗など宗派による作法の違いや、香典の相場、手土産のマナー、そして絶対にやってはいけないタブーなど、知っておくべきことは山積みですよね。
ネットで検索しても、自分の住んでいる地域や実家のルールと違っていたらどうしようと不安に感じる方も多いはずです。
この記事では、そんな皆様の不安に寄り添い、お盆にまつわる基本的な準備から気をつけたいマナーまで、分かりやすくまとめてみました。
完璧を目指さなくても大丈夫です。ご先祖様を想う温かい気持ちがあれば十分伝わりますから、無理のない範囲で一緒に準備を進めていきましょう。
【記事のポイント】
お盆といえば、ご先祖様が浄土からこの世の自宅へと帰ってくる、日本古来のとても大切な行事ですよね。
生きている私たちが家族でお迎えし、供養して、また迷わずに見送るという温かい風習です。
でも、いざ自分が準備をする立場になると、「一体いつから、何を始めればいいの?」と戸惑ってしまうことも多いのではないでしょうか。
ここでは、お盆の基本的なスケジュールから、盆棚の飾り方、迎え火や送り火の手順まで、ベースとなる「基本の型」を順番にご紹介していきます。
まずは全体の流れを掴んで、ご自身のご家庭でできそうなところからピックアップして準備を進めてみてくださいね。

お盆の準備を始める前に、まずは「自分たちの地域のお盆がいつなのか」を確認することがとても大切です。
実は、お盆の時期は日本全国で統一されているわけではなく、大きく分けて3つのパターンがあるんですよ。
現在、日本で最も主流となっているのが、8月13日から16日に行われる「月遅れ盆」です。
全国の約8割の地域がこの日程でお盆を迎えます。
もともとお盆は旧暦の7月に行われていたのですが、明治時代に新暦(太陽暦)が導入された際、新暦の7月は農家さんにとって一番忙しい「農繁期」と重なってしまいました。
そこで、生活の実態に合わせて1ヶ月遅らせた8月に行事を行うようになった、というのが月遅れ盆の背景なんだそうです。
生活の知恵から生まれたスケジュールなんですね。
一方、東京や横浜などの都市部、そして私たちがいる静岡県の一部(静岡市など)では、新暦に合わせた7月13日から16日にお盆を行います。
農業のスケジュールの影響を受けにくかった都市部では、そのまま暦通りの7月に定着したと言われています。
さらに、沖縄県など一部の地域では、現在でも太陰暦に基づく「旧盆」を基準としています。
旧暦の7月13日から15日に行われるため、新暦のカレンダーで見ると毎年お盆の日付が変動するという大きな特徴があります。
その年によってお盆休みの日程が変わるので、沖縄の方にとっては毎年のカレンダー確認が必須ですね。
【補足・豆知識】伊豆地方のユニークなお盆
私たちがお店を構える伊豆地方の一部では、かつて養蚕(ようさん)が盛んだった名残で、農作業のサイクルに合わせた「一日盆(8月1日から)」や「三十日盆(7月末)」という独自の日程を採用している地域もあるんです。
地域ごとに色々な歴史があって面白いですよね。
このように、お盆の時期は地域によってバラバラです。
「ネットで調べた日程と実家のスケジュールが違った!」と慌てないためにも、事前にご家族や地域の先輩に確認しておくことをおすすめします。

お盆の時期が確認できたら、次は具体的な準備に取り掛かりましょう。
お盆を滞りなく、心穏やかに迎えるためには、1ヶ月以上前からの計画的な事前準備が不可欠です。
直前になってバタバタしないよう、早め早めに動くのがポイントですよ。
まず一番最初に行いたいのが、お世話になっているお寺(菩提寺)への連絡です。
お盆の時期に僧侶の方を自宅にお招きして「棚経(たなぎょう)」や法要をお願いする場合、1〜2ヶ月前には日時の確認をしておきましょう。
お盆の時期は、お寺さんにとって一年で最も忙しい時期の一つです。
希望する日時を押さえるためには、とにかく早期の連絡が鍵になります。
お盆の1〜2週間前になったら、盆棚(精霊棚)や盆提灯を出して、組み立てや飾り付けの準備を始めます。
不足している仏具があれば、このタイミングで買い足しておくと安心ですね。
また、この時期に済ませておきたいのが「お墓の掃除」です。
当コラムの墓掃除の洗剤の正しい選び方なども参考にしながら、草むしりをしたり、墓石を綺麗に水洗いしたりして、ご先祖様を気持ちよくお迎えする準備を整えます。
真夏のお墓掃除は熱中症の危険もありますから(出典:環境省『熱中症予防情報サイト』)、涼しい午前中のうちに無理なく行うようにしてくださいね。
いよいよ前日です。ここでは、生花や果物、お団子、そして後ほど詳しくご紹介する「水の子」などの生ものの準備を行います。
傷みやすいお供え物はどうしても直前に用意する必要があるので、前日はスーパーやお花屋さんに行く時間をしっかり確保しておきましょう。
最後に飾り付けの最終確認をして、準備は完了です。

お盆期間中、ご先祖様の霊が留まる場所として仏壇の前に設けるのが「盆棚(精霊棚)」です。
この飾り付け、なんだか難しそうに見えますが、一つ一つのアイテムに込められた意味を知ると、準備も楽しくなってくるんですよ。
盆棚の最下段には、「まこも(真菰)」と呼ばれるすだれ状のゴザを敷きます。
これは単なる敷物ではなく、神聖な場所を示す「結界」の役割を果たしています。
古来よりまこもは病を癒やし邪気を祓う霊草とされていて、お釈迦様がまこもで編んだむしろに病人を寝かせて治療したというお話が由来になっているそうです。
そして、まこもの上や盆棚の四隅に立てた青竹には「真菰縄(まこもなわ)」を張り、そこにほおずきや昆布、素麺などを吊るします。
お盆の飾りと言えば、キュウリで作った馬とナスで作った牛、「精霊馬(しょうりょううま)」を思い浮かべる方も多いですよね。
これには「こちらに来るときは足の速い馬に乗って一刻も早く家族のもとへ。
帰るときは牛に乗って、景色を楽しみながらゆっくりとお戻りください」という、残された家族の深い愛情と願いが込められているんです。
日本ならではの、本当に美しくて優しい風習だなといつも感じます。
お供え物の中で少し特殊なのが「水の子」です。
これは、賽の目に細かく刻んだナスやキュウリに、洗った生米を混ぜて蓮の葉の上に盛り付けたものです。
お盆には、ご先祖様だけでなく、無縁仏や餓鬼(飢えと渇きに苦しむ亡者)も一緒についてくると考えられています。
喉が針の穴ほどしかなく食べ物を飲み込めない餓鬼のために、細かく刻んで施しを与える「施餓鬼(せがき)」の精神から生まれたお供え物です。
この水の子には、閼伽水(あかみず:仏様に手向ける浄水)に浸した「みそはぎ(禊萩)」の花穂を使って水を振りかけます。
みそはぎは悪霊や煩悩を祓い、餓鬼の喉の渇きを潤す効果があると信じられている神聖な植物なんですよ。
毎日の食事としてお供えする「仏膳」は、殺生を避ける仏教の教えに基づき、肉や魚を使わない「精進料理」を用意します。
また、ニラやニンニクなどの香りの強いお野菜(五辛)も避けるのがマナーです。
一汁三菜を基本とし、お箸を仏前(奥側)に向けて、ご先祖様がすぐに召し上がりやすいように配置しましょう。

お盆のメインイベントとも言えるのが、初日の「迎え火」と最終日の「送り火」です。
これらは、ご先祖様の霊が迷わずに自宅へ行き来するための大切な道しるべとなります。
13日の午前中にお盆のお墓参りを済ませたら、夕方から日没にかけて「迎え火」を行います。
玄関先や門口に焙烙(ほうろく)と呼ばれる素焼きの平皿を置き、その上で麻幹(おがら:皮を剥いた麻の茎)を井桁に組んで火をつけます。この煙に乗ってご先祖様が家に帰ってくると言われているんです。
迎え火を焚いたら、盆提灯にも明かりを灯して、ご先祖様を温かく自宅の奥へとご案内します。
ご先祖様がご自宅に滞在されている期間です。
朝夕はお線香やろうそくでお参りをして、お水やお食事(霊供膳)も毎日新しいものに交換します。
親族が集まって会食をしたり、お寺様にお経を上げていただいたりして、家族の絆を深める大切な時間ですね。
御魂(みたま)は、16日の午前中まではご自宅に留まるとされています。
そして夕方になったら、初日の迎え火と同じ手順で玄関先で「送り火」を焚きます。
「迷わずに無事にお浄土へ帰れますように」「来年もまたお待ちしています」という祈りと感謝を込めて、静かに見送ります。
火を使う儀式ですので、風の強い日などは火の粉が飛ばないよう、周囲の安全には十分に気をつけて行ってくださいね。

故人が亡くなり、四十九日の忌明け(きあけ)の後に初めて迎えるお盆を「初盆(はつぼん)」または「新盆(にいぼん・しんぼん)」と呼びます。
※もし四十九日以内にお盆の時期が来てしまった場合は、翌年のお盆が初盆となります。
通常のお盆がご先祖様たちを合同で供養するのに対し、初盆は「新仏様が初めて自宅に戻ってくる特別な期間」です。
そのため、親族や故人と親しかった方々をお招きして法要や会食を行うなど、通常よりも規模を大きくして丁重に営まれるのが一般的です。
初盆の施主(主催者)となる方は、通常のお盆よりもさらに早い準備が必要です。1〜2ヶ月前から以下の手配を進めます。
お料理を手配する際は、鯛や伊勢海老などの「慶事用(お祝い用)」の食材を避けるため、お店や仕出し業者の方に必ず「初盆の法要での利用です」と伝えることが重要なマナーです。
初盆の飾りの最大の特徴が「白提灯(白紋天)」です。
毎年飾るような絵柄の入った華やかな盆提灯とは違い、無地の真っ白い提灯を用意します。
これには「清浄無垢の心で故人を迎える」という意味があり、新仏様が迷わず自宅に辿り着くための専用の目印になるんです。
この白提灯は初盆の年だけ使用し、使い回しはしないのが決まりとなっています。
お金に関するマナーは、地域や関係性によっても変わりますが、一般的な目安を知っておくと安心です。
| 故人との関係性 | 香典の金額相場 | 備考・留意点 |
| 親(実父母・義父母) | 10,000円〜30,000円 | 血縁が最も近いため高額に。年齢が上がるほど相場の上限に近づきます。 |
| 兄弟姉妹 | 10,000円〜30,000円 | 親と同等の深い関係性として扱われます。 |
| 祖父母 | 5,000円〜10,000円 | お孫さんの立場からはこの範囲が一般的です。 |
| 叔父・叔母など親戚 | 5,000円〜10,000円 | 生前の親密さに応じて調整します。 |
| 友人・知人・会社関係 | 3,000円〜10,000円 | 個人なら5,000円前後、連名なら1人千円〜数千円を出し合います。 |
参列者として法要後の会食に参加する場合は、上記の香典に1人あたり3,000円〜5,000円程度の「お食事代」を上乗せするか、別封筒で用意するのが礼儀です。
ご夫婦で参列する場合は、引き出物や食事も2人分になるので倍額を包みます。
また、施主から僧侶へお渡しする「お布施」の相場も、通常のお盆より少し高くなり、3万円〜5万円が目安と言われています。
僧侶が自ら運転して来られた場合は「御車代(5,000円〜1万円)」、会食を辞退された場合は「御膳料(5,000円〜1万円)」を別途用意し、切手盆などに乗せてお渡しします。
【注意】お金やマナーに関する情報はあくまで目安です
ここでご紹介した金額や作法はあくまで一般的な相場や目安です。
地域や親族間のルールによって大きく異なる場合がありますので、トラブルを避けるためにも、最終的な判断は地域の詳しい方やお寺様など、専門家にご相談されることをおすすめいたします。
また、正確な情報は公式サイト等も併せてご確認ください。
初盆の法要に招かれた際の服装にも注意が必要です。
法要やお墓参りの服装マナーでも解説している通り、「平服でお越しください」と案内状にあっても、ジーンズやTシャツのような日常のカジュアルな服装で行くのは重大なマナー違反になってしまいます。
男性は黒や濃紺のダークスーツ、女性は露出の少ない黒やグレーのワンピースといった「略喪服」を着用しましょう。
真夏であっても素足は厳禁です。女性のアクセサリーも、結婚指輪以外では、白またはグレーの一連パールのネックレスやイヤリングのみに留めるのが上品で正しいマナーですよ。
お盆の基本はお話ししましたが、実は「住んでいる環境」や「宗派」によって、正解がガラッと変わってしまうのがお盆の難しいところであり、奥深いところでもあります。
「マンションだから火が焚けない」「うちの宗派はやり方が違うみたい」と焦らなくても大丈夫ですよ。
現代のライフスタイルに合わせた工夫や、知っておきたいタブー、お供え物のマナーなどをまとめましたので、ご自身の状況に合わせてチェックしてみてください。

お盆の準備を進める上で、ご自身のお家や訪問先の「宗派」を確認することは極めて重要です。
なぜなら、日本の最大仏教宗派の一つである「浄土真宗」は、これまでご説明してきた一般的なお盆の作法と根本的に考え方が異なるからです。
曹洞宗や真言宗など多くの宗派では、「お盆の時期に亡き霊があの世からこの世の自宅へ帰ってくる」と考え、迎え火を焚いたり、精霊馬を作ったりして供養します。
しかし、浄土真宗には「往生即成仏(おうじょうそくじょうぶつ)」という絶対的な教えがあります。
これは、「人は亡くなると同時に、阿弥陀如来様の慈悲によって直ちに浄土へ導かれ、仏様になる」という考え方です。
つまり、霊が迷ってさまよったり、お盆の時期だけこの世に戻ってきたりするという概念自体が存在しないのです。
ご先祖様はすでに悟りを開いた仏様になられているため、生きている人間が彼らの冥福を祈って追善供養をしたり、霊を誘導する迎え火・送り火、精霊馬、餓鬼への水の子を用意したりすることは一切ありません。
同じ仏教でも全然違うから驚きですよね。
では、浄土真宗ではお盆に何もしないのかと言うと、そうではありません。
お盆の時期を「歓喜会(かんぎえ)」と呼び、ご先祖様が残してくれたご縁を通じて、自分自身が仏教の教えに出会えた喜びと感謝を新たにするための期間として大切に過ごします。
仏壇の飾り付けも、霊を迎えるためではなく、仏様への感謝を表すために通常より丁寧に整える「お荘厳(しょうごん)」を行います。
夏用の打敷(うちしき)を掛けたり、ハスの蕾を模した独自の形でご飯を盛ったりします。
お布施の表書きも、読経の対価としての「回向料」などは避け、阿弥陀如来様へのお供えという意味でシンプルに「御布施」と書くのが正しいマナーですよ。

伝統的なお盆の行事は、庭や門口がある日本家屋を前提に作られています。
そのため、現代のマンションやアパートなどの集合住宅にお住まいの方からは、「火を焚くなんて無理!」というご相談をよく受けます。
ベランダや共用廊下で実際に麻幹(おがら)を燃やすのは、火災報知器の誤作動や、近隣への煙害、洗濯物への臭い移りなど、深刻なトラブルになりかねません。
消防法や管理規約に違反してしまう可能性もあるので注意が必要です。
そこで、現代のインフラに合わせた安全な代替手段をご紹介しますね。
本物の火を使わずに、LEDキャンドルや電池式の盆提灯を室内や窓際、玄関のドアの内側に飾る手法が今とても人気です。
迎え火の時間(13日の夕方)にスイッチを入れ、送り火の時間(16日の夕方)に消灯する。これだけでも、火を焚くのと同等の立派な供養として成立します。
仏具店に行くと、麻幹の形を模した「専用のローソク」が売られています。
これを室内や仏壇の前で安全な耐熱皿に乗せて灯せば、煙を出さずに雰囲気を味わえます。
また、焙烙皿の上に麻幹を組んで置き、「実際の火はつけずに玄関先に飾るだけ」という方法も立派な供養です。
仏教で一番大切なのは、ご先祖様をお迎えしようとする「心の働き」なので、物理的な炎がなくても想いはちゃんと届くと言われています。
どうしても火を使いたい場合、13日にお墓参りをした際、墓前で少量の麻幹を燃やし、その火を手持ちの盆提灯に移します。
その提灯の明かりを消さずにご自宅まで持ち帰り、仏壇のろうそくへ移すことで、ご先祖様を直接ご自宅へご案内するという古風な方法もあります。(※お車で移動する際は安全のため必ず一度消灯してくださいね)

お盆はご先祖様の供養に専念する神聖な期間です。そのため、古くからの風習や仏教の教えに基づき「やってはいけない」とされるタブーがいくつかあります。
単なる迷信に思えるかもしれませんが、実は先人たちの知恵や命を見つめ直す深い意味が込められているんですよ。
仏教には、生きとし生けるものの命をみだりに奪ってはいけないという「不殺生戒」があります。
そのため、娯楽としての魚釣りや昆虫採集はお盆期間中は控えるべきとされています。
「ご先祖様がトンボや蝶に乗って帰ってくる」という言い伝えもあるため、小さな虫でも無用な殺生は慎みたいですね。
食事も、期間中は肉や魚を控えて精進料理をいただき、生命への感謝を深めるのが理想です。
「お盆に海に入ると霊に足を引っ張られる」という怖い話を聞いたことがありませんか?これは単なる怪談ではなく、極めて科学的な根拠に基づく安全管理の知恵なんです。
8月中旬は台風が発生しやすく、遠くの台風の影響で突然大波が押し寄せる「土用波」が起きやすくなります。
また、沖に向かって強い流れが生じる「離岸流」のリスクも高く、水難事故が多発する危険な時期です(出典:警察庁『水難・山岳遭難統計』)。
さらに、猛毒を持つクラゲが大量発生し、刺されると命に関わることも。
つまり、「一番危険な時期に子どもたちを海から遠ざけるため」に、昔の人が作った秀逸なルールなんですよ。
お盆期間中の裁縫や針仕事もNGとされています。
これは、誤って指を刺して血を流すのを防ぐためです。仏教では血を「穢れ(けがれ)」とみなすため、神聖な期間にはふさわしくありません。
同じ理由で、仏壇にお供えするお花にも、バラやアザミなどの「トゲのある花」は使えません。
また、水仙などの「毒性のある花」も、毒を盛るという不吉な連想を生むため避けましょう。
結婚式や新築祝いなどの慶事、引っ越しや新車の納車といった大きな変化もお盆には避ける傾向があります。
「帰ってきたご先祖様が、家が変わっていて迷子になってしまう」という優しい理由や、帰省ラッシュで渋滞する時期に慣れない新車を運転するリスクを避ける、といった現実的な意味合いも含まれています。

お盆休みに実家や親戚のお家へ帰省するとき、持っていく品物で迷うことってありますよね。
ここで多くの方がやってしまいがちなミスが、「手土産」と「お供え物」を混同してしまうことです。
明確なターゲットの違い
目的も宛先も全く違うため、できれば別々に用意するのが一番丁寧なマナーです。
この2つを明確に区別するのが「のし(掛け紙)」です。
手土産はカジュアルなお土産なので、基本的にはのしは不要で、お店の綺麗な包装紙のままでOKです。
どうしても付けたい場合は「紅白の蝶結び」を選び、「御土産」や「御挨拶」と書きます。
一方、仏壇へのお供え物には必ず掛け紙が必要です。水引は弔事を示す「黒白の結び切り(関西などは黄白)」を選び、表書きの上段に「御供」、下段に贈り主のフルネームを濃墨で書きましょう。
金額の相場は、相手に気を使わせない2,000円〜5,000円程度が適切です。
親戚がたくさん集まる時期なので、常温で日持ちして、包丁を使わずにみんなで分け合える「個包装の焼き菓子」や、涼をとれる「ゼリー」「水ようかん」などが喜ばれますよ。
渡すタイミングも重要です。久しぶりの再会で玄関先ですぐに渡してしまいがちですが、これは実はマナー違反。
正しくは、室内に通されて、まずは仏壇にご挨拶(お線香をあげる)をした後、席について落ち着いた頃合いで渡します。
紙袋から品物を取り出して、相手の正面に文字が向くように両手で差し出してください。
「つまらないものですが」と言うより、「皆様で召し上がっていただきたくて」とポジティブな一言を添えるのが、スマートで素敵な気遣いかなと思います。

8月16日の送り火を終えてご先祖様を無事に見送ったら、最後に待っているのが盆棚の片付けと飾りの処分です。
「魂が宿っていたものをゴミ箱に捨てるなんてバチが当たりそう…」と不安に思う方も多いですよね。適切な手順を踏めば、心置きなくお盆を締めくくることができます。
初盆で使った無地の白提灯は、「故人が初めて帰ってくるときの1回限りの目印」なので、使い回しは失礼にあたります。終わったら速やかに処分しましょう。
昔はお寺でお焚き上げをしてもらったり、庭で燃やしたりしていましたが、現代の住宅事情では火を燃やすのが難しいことがほとんどです。
そこで、今は次のような「疑似的なお焚き上げ」が主流になっています。
マンションなどでどうしても火が使えない場合は、燃やす工程を飛ばして、塩で清めてから白い紙に包んで捨てるだけでも、供養の気持ちは十分に伝わりますよ。
※毎年使う絵柄入りの盆提灯は、綺麗に埃を払って箱にしまい、防虫剤を入れて来年まで大切に保管してくださいね。
仏壇にお供えした果物やお菓子は、「お下がり」として家族全員で美味しくいただくのが一番の供養になります。
ご先祖様と食べ物を分かち合うことで、功徳をいただけるんですよ。
ただし、夏の暑さで傷んでしまった食品や、精霊馬、細かく刻んだ水の子などは食べられません。
これらは白提灯と同じように、粗塩を振ってお清めをしてから、白い紙に包んで生ゴミとして処分します。
昔は川や海に流す「精霊流し」という風習もありましたが、今は環境保護の観点から禁止されている地域がほとんどなので、家庭ごみとして適切に処理するのが現代のマナーです。
ここまで、お盆のスケジュールや細かなマナー、現代事情に合わせた供養の方法などをたっぷりとお話ししてきました。
記事を読み進めながら、「やることが多くて大変そうだな」「間違えたらどうしよう」と少し肩に力が入ってしまった方もいらっしゃるかもしれません。
でも、安心してください。お盆の行事は、地域や宗派、ご家庭によって本当に多様で、全国共通の絶対的な正解というものは存在しません。
私自身、石材店という仕事を通じてたくさんのお客様のお墓づくりやご供養のお手伝いをさせていただいていますが、そこでいつも感じるのは、形よりも「心」の大切さです。
スケジュールが少しずれてしまったり、お供え物の作法を間違えてしまったりしても、それでご先祖様が怒るようなことは絶対にありません。
お盆にやることで一番大切なのは、「ご先祖様を敬い、今ある家族の時間を大切にする気持ち」そのものです。
忙しい日常の中でふと立ち止まり、自分に命を繋いでくれた人たちに思いを馳せる。
そして、今目の前にいる家族と一緒に食事をして、語り合う。その温かい時間こそが、ご先祖様にとって何よりの供養になり、喜んでくれるはずです。
現代の生活スタイルに合わせて、無理のない範囲で、できることから少しずつ。
ご先祖様をお迎えする温かい気持ちを胸に、ぜひ素敵なお盆の時間を過ごしてくださいね。
お墓のことで少しでも不安や疑問があれば、私たち伊豆の墓守、鈴木石材店へいつでもお気軽にご相談ください。
皆様の「安心」と「心の拠り所」をつくるお手伝いをさせていただきます。
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